犬に絶対渡してはいけないモノ5選 命を落とす可能性も。事前にすべき対策まで
犬に絶対渡してはいけないモノは?
犬が口にすると危険なものは多く存在します。飼い主は犬にとって危険なものを知り、それらを渡さないように注意することが大切です。ここでは、犬に絶対渡してはいけないものを5つご紹介します。
1.紐状のもの
糸、リボン、毛糸、ビニール紐など紐状のものは、犬が飲み込むと非常に危険です。紐状のものを犬が飲み込んでしまうと、腸に絡まって腸閉塞を引き起こす恐れがあります。腸閉塞は激しい腹痛や嘔吐を引き起こし、命に関わります。
紐状のものを犬に渡さないことはもちろん、床やローテーブルなど犬が届く場所に放置しないよう、十分に注意しましょう。
2.タオルや靴下
タオルや靴下をおもちゃ代わりに犬に渡すのは危険です。犬がタオルや靴下を噛んでいるうちに、噛みちぎって飲みこんでしまうことがあります。
少量であれば便と一緒に排出されることもありますが、大量に飲み込むと、腸閉塞を引き起こすリスクが高まります。
タオルや靴下は、犬に絶対渡さないようにしましょう。置きっぱなしや脱ぎっぱなしにも注意が必要です。
3.中毒を引き起こす食べ物
人間には全く問題なくても、犬には中毒を引き起こす危険な食べ物があります。例えば、ネギ類(玉ネギ、長ネギ、ニラ、ニンニクなど)やチョコレート、ブドウ、レーズン、キシリトール入りの食品などです。
これらを犬が食べると、最悪の場合、命を落とす可能性もあるため、絶対に渡してはいけません。拾い食いや盗み食いにも注意しましょう。
4.人間用のおもちゃや小さすぎる犬用おもちゃ
人間用のおもちゃは、犬が噛むことを想定して作られていないため、犬が遊ぶと簡単に壊れてしまうことがあります。壊れた破片を飲み込んでしまうと、窒息や消化器系の疾患につながる可能性があります。
また、犬用おもちゃであってもサイズが小さすぎると、丸ごと飲み込んでしまい、窒息や腸閉塞を引き起こす恐れがあります。
こうしたことから、人間用のおもちゃや、口にすっぽり収まってしまうような小さすぎる犬用おもちゃを犬に渡すのは避けましょう。
5.硬すぎる噛むおもちゃ
噛むおもちゃが好きな犬は多いですが、硬すぎるものは渡さないようにしましょう。犬の歯は人間と比べてエナメル質が薄く、破損しやすいです。そのため、硬すぎるおもちゃを噛むと、歯が折れたり欠けたりする可能性があります。
全く弾力がなく、人が爪を立てても跡が残らない、あるいはほとんどくぼまないおもちゃは、硬すぎる可能性が高いです。
犬を危険なものから守るためにすべき対策は?
犬を危険なものから守るためには、事前の対策が重要です。ここからは、日頃からすべき対策を3つご紹介します。
1.家庭内の環境を整える
犬を危険なものから守るためにまずすべき対策は、家庭内の環境を整えることです。犬にとって危険なものは、上記でご紹介したもの以外にも、洗剤、医薬品、電池、タバコ、文房具など、多岐にわたります。
こうした危険なものは犬が届かない場所にしっかりと保管し、日頃から整理整頓を心がけることで、誤飲のリスクを大幅に軽減できます。床に物を放置しない習慣をつけることも重要です。
また、キッチンなど危険なものが特に多い場所には、犬が立ち入れないようにペットゲートなどを設置しましょう。
2.安全な犬用おもちゃを与える
犬に与えるおもちゃは、安全に遊べるものを選ぶことが大切です。犬が飲み込む心配のない適切なサイズで、十分な耐久性があり、硬すぎない素材でできている犬用のおもちゃを選び、誤飲や歯の損傷を防ぎましょう。
また、定期的におもちゃの状態をチェックし、破損や劣化が見られる場合は、速やかに新しいものと交換するように心がけましょう。
3.「ちょうだい」を教える
「ちょうだい」を教えておくと、犬が危険なものをくわえてしまった際に、安全に回収できる可能性が高くなります。「ちょうだい」は、犬がくわえているものを離させるためのコマンド(指示語)で、遊びを通して教えることができます。その手順は、以下のとおりです。
✔1.遊び始める前に、おやつをポケットやトリーツポーチなどに入れておきます
✔2.ロープなどのおもちゃで引っ張りっこをします
✔3.適当なタイミングで、おもちゃから手は離さずに動きを止め、「ちょうだい」と声をかけます。同時に、反対の手でおやつを犬に見せます
✔4.犬がおもちゃを離したら、おやつをあげて褒めます
✔5.犬がおやつを食べ終えたら、引っ張りっこを再開します
上記の手順を繰り返し行い、慣れてきたら、徐々におやつを見せるタイミングを遅らせていきましょう。
最初は「ちょうだい」と同時におやつを見せますが、「ちょうだい」と声をかけて、犬がおもちゃを離したらおやつを見せるようにしていきます。こうすることで、犬は「おもちゃを離すとよいことがある(おやつがもらえる)」と学習します。
おやつをあげる頻度を徐々に減らしていき、最終的にはおやつがなくても「ちょうだい」の指示だけでおもちゃを離せることを目指しましょう。おやつなしで「ちょうだい」ができたときは、言葉でしっかりと褒めてあげることが大切です。
まとめ
犬にとって危険なものは、身の周りに多く存在します。今回ご紹介した、犬に絶対渡してはいけない5つのものは、愛犬に渡さないように十分注意しましょう。また、愛犬の安全を守るためには、家庭内の環境を整える、安全なおもちゃを与える、「ちょうだい」を教えるといった対策を行うことが重要です。
万が一、愛犬が何かを誤飲してしまった場合は、様子を見たり自己判断で対処したりせずに、速やかに動物病院へ連絡をして、獣医師の指示に従いましょう。
(獣医師監修:葛野宗)