小学生が「目のかすみ」視力低下4割に…10歳までが視機能発達の重要期間
いま、子どもたちの視力低下が止まりません。
学年を追うごとに近視になる割合が増えるというのですが、どうすれば防いでいけるのでしょうか。
吉田学園医療歯科専門学校の授業の一コマ。
保育士を目指す専門学校生が、視力の矯正や検査のエキスパートである「視能訓練士」から、子どもの目について学んでいます。
視能訓練士の佐藤幸恵さんは「目の不調を子どもたちは言葉にして訴えないので、いろいろなしぐさやサインを知ってもらっていち早く目の病気を発見してもらえたら」と話します。
幼いうちから近視などになる子どもが増えたことを背景に、授業でも対応することにしたのです。
札幌市にある子ども用メガネの専門店「キッズコレクション」でも、学年を追うごとに近視の割合が増えてくるといいます。
佐々木孝子店長はその背景について「ゲームをしたりスマホで動画を観たり、授業や宿題でタブレットを使ったりする機会が増えている」と話します。
保護者からも「視力に影響を及ぼすのでは」という心配の声が増えてきているといいます。
子どもがスマホを使ったり、授業でタブレット端末を使ったりするのは今や当たり前。
目の疲れやかすみなどを大人のような症状を訴える子どもが眼科を受診するといいます。
ひきち眼科の引地泰一院長は「低学年の子どもでも、視力低下や見づらさを感じている子が徐々に増えてきている」印象をもっています。
2024年7月に文部科学省が発表した調査をもとに引地医師がまとめたデータによりますと、裸眼視力が0.3未満の子どもは小学1年生では男女とも1%台なのに対し、学年を追うごとに割合は増え中学3年生では3割に。
北海道内の子どもたちに関する別のデータでは、裸眼で1.0未満の割合が小学生、中学生、高校生すべてで全国平均を上回っていて、早いうちからの対処が必要だと引地医師は指摘します。
「視機能は10歳までには成人程度に達することになるから、この時期に見るための刺激をどんなふうに目に送るかというのは視機能発達や障害に、重要な時期になるんです」
スマホやタブレットを使わないわけにいかない今。
うまい付き合い方が大切です。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年11月6日)の情報に基づきます。