穴からニョッキっと飛び出す?マテ貝の潮干狩りを名人に教わる
潮干狩りの代表格といえばアサリだが、近年注目度がアップし、人気急上昇中なのがマテガイだ。巣穴に塩を入れると、潮が満ちてきたと勘違いしてニョキニョキと飛び出してくるユニークな捕獲劇は、誰もが夢中になる楽しさがある。本記事では、潮干狩りの超人こと原田知篤さんへの取材を元に、マテガイの取り方や必要な道具を徹底解説する。
注意点: マテガイを捕獲する際は現地の漁業権や禁止エリアの有無など必ず事前確認を行なってからルール厳守でお楽しみください。
解説◎原田知篤
まとめ◎月刊つり人編集部
3歳から出身地の瀬戸内で潮干狩りに親しむ。長年プロの音楽家として活躍しながら、趣味の潮干狩りで自身が開設したHP「自称・史上最強の潮干狩り超人」が全国的な反響を呼ぶ。
マテガイの潮干狩りの道具
マテガイは干潮時の砂浜において、深さ30~50cmという地中深くに潜んでいる。そのため、アサリのように一般的な熊手で無闇に掘り当てるのは至難の業だ。
そこでマテガイならではの「巣穴に塩を入れる」という特殊な採り方をするのだが、それに合わせていくつか専用の道具を用意する必要がある。
平らなコテやスコップ
砂は「掘る」というより、巣穴を見つけるためにスライスするように「削る」ため、平らなコテが使いやすい 。原田さんはお好み焼き用のコテを曲げて使っているが、園芸用の小さなジョレンや片手で持てるスコップでも問題ない。
塩と先端の尖った入れ物
塩はマテガイをおびき出すための必須アイテム。市販品のサラサラしているものが適している。入れ物は先端が尖ったものが断然使いやすい。
バケツやカゴ
アサリと違い、細長いマテガイは網目から逃げてしまう。そのため、網ではなくバケツやカゴを使用しよう。
その他
日差しを遮る帽子や、殻から手を守るための軍手、水分補給用の飲み物なども用意しておきたい。
マテガイの取り方4つのステップ
アサリとマテガイは、同じ干潟で採れる貝だが、住んでいるポイントが微妙に異なる。アサリは波や潮の流れが直接当たらない内側の浅い場所に密集するが、マテガイは潮通しのよい沖側が主なポイントになる。
特に、潮が引いたときに沖へ現れる中州などは大本命だ。そんな場所でエンピツくらいの太さの穴が数多く開いている砂地を見つけたら、マテガイが潜んでいる確率は高いと言えるだろう。
1. 砂の表面を削り、巣穴を見つける
ポイントを定めたら、コテやジョレンを使って斜めの角度で砂を削るように掘る。
真っ直ぐ垂直に伸びている楕円形の穴があり、穴の内面がツルツルになっていれば、それがマテガイの巣穴だ。周囲に水たまりができ、穴の中に海水が少し見える程度が、塩が溶けやすくベストな掘り具合。
2. 穴に塩を振り入れる
穴を見つけたら、先端の尖った入れ物を使って、穴の中に入れ込むような感じでそっと塩を振る。マテガイが出てくるまでは数秒で出てくることもあれば、数分かかることもある。すぐに出てこなければいくつもの穴に塩を振っていくと効率的だ。
3. マテガイが飛び出すのを待つ
穴に塩が入って塩分濃度が変わると、潮が満ちてきたと勘違いしたマテガイがビックリして飛び出してくる。しかし、顔を出した瞬間に焦ってはいけない。この状態で無理に掴むと、危険を感じたマテガイは水管部分を自切(じせつ)し、本体は穴の奥へ潜って逃げてしまう。
4. 殻をしっかり掴んで引き抜く
マテガイが完全に姿を現すまでじっくり待ってから、身ではなく「殻」をしっかりと掴む。そのまま、まっすぐ上につまんで慎重に抜き上げる。マテガイが下へ抵抗するのは元気な証拠であるが、強引な引っ張りは禁物。なかなか上がらない場合は、周辺の砂に手を差し込み、揺らすようにするのが上手く引き抜くコツだ。
美味しく食べるための下処理・砂抜き
無事にマテガイを獲り終えたら、美味しく食べるための下処理が待っている。マテガイは砂の奥深くに棲んでいるが、アサリのように身に砂をかまないという特徴がある。ただし、殻の間に砂を噛みやすいので、ザルや網付きバケツなどを使い、現地の海でしっかり洗っておこう。
持ち帰った後は、塩分濃度約3%の塩水か、現地の海水を持って帰って数時間浸けておくと、特有のアクが抜けて身がさらに美味しくなる。
旨味成分が濃厚なマテガイは、定番のバター焼きや酒蒸しをはじめ、パスタの具材や味噌汁など、和洋問わずさまざまな料理で活躍する。
取るまでのゲーム性はもちろん、食べても抜群に美味しいターゲットなので、今年の潮干狩りはぜひアサリと一緒にチャレンジしてみてほしい。
家族で挑戦したら盛り上げること間違いなし!
※このページは『つり人2018年5月号』に掲載した記事を情報更新・再編集したものです。