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意外と取り入れるのが難しい? 洒落者メンズたちの愛用スウェードアイテムとアメカジコーデ10選

Dig-it[ディグ・イット]

スウェードは、手入れの痕跡も、擦れも、色ムラも、すべてがその人のスタイルになる素材だ。今回は、そんなスウェードを日常的に愛用する人たちにフォーカス。いちばんのお気に入りとその着こなしを拝見!

布のように体に沿いアウターの下で完成する18世紀のベストの記憶|「The 2 Monkeys」クリエイティブディレクター・鈴木理也さん

【着用スウェードアイテム】The 2 Monkeys/Round-neck Leather Waistcoat

鈴木理也氏の愛用品は、自ら手がけるザ・トゥーモンキーズから昨年登場したスウェードのモデル。18世紀前半まで袖付きであったベストを、当時の様式を取り入れながらもチノやデニムにも合わせやすいレザージャケットにしたものだ。前振りの袖や背中の型紙、フロントの9つボタンがその由来の通りクラシックな表情を際立たせてくれる。軽くて柔らかな銀付きホーススウェードを使用しており、布の服のように自然に身体へ馴染む着用感も魅力だ。今回は埃よけとしての背景をもつダスターコートを重ねている。

ベスト198,000円、コート85,800円、シャツ44,000円、シューズ110,000円/すべてザトゥーモンキーズ、パンツ 36,300円/ジェラード(ジェラードフラッグシップストア Tel.03-3464-0557)、ハット/エイチダブリュードッグアンドコー、メガネ/ダリーズアンドコー(私物)

スウェードの上品さがハード感を和らげアメカジを身近にする|「HINOYA ONE」スタッフ・高多大地さん

【着用スウェードアイテム】BONCOURA/Z-1 Jacket Suede

素材と縫製に徹底的にこだわり、手仕事の温度感と経年変化を大切にするブランド・ボンクラによる、オリジナルスウェードのワークジャケットを着用。顔料加工を施さず革本来の質感を生かし、職人が毛足の流れを見極めて手裁断することで、均整の取れた表情を実現している。水にも強い特殊な鞣しによる撥水性も大きな特徴だ。「再構築の元として、このデザインが選ばれるのはかなり珍しいです。裏地がない分、革そのものの質感をダイレクトに味わえるののもポイント。春先にも着られるし、冬はダウンベストを重ねても自然に馴染みます」。ブラックデニムと合わせたクリーンな着こなしで、素材の存在感を引き立てている。

ジャケット231,000円/ボンクラ、スウェット18,700円/ウエアハウス、ジーンズ21,780円/シュガーケーン(ヒノヤワン Tel.03-3831-0385)、ベスト/ポストオーバーオールズ、シューズ/アナトミカ(私物)

淡いトーンのスウェードは装いに柔らかな余白を与えてくれる|「SANTASSÉ」デザイナー・大貫達正さん

【着用スウェードアイテム】ALDEN for SANTASSÉ/V-TIP

数々の人気ブランドを手掛ける実力派デザイナーである大貫さん。ヴィンテージに精通し、特にウエスタンやネイティブアメリカンのカルチャーを深く知る大貫さんにとって、スウェードは大好物。この日の足元は、大貫さんのこだわりが詰まった別注のオールデンだ。「これは今年の4月に名古屋でオープン予定のメゾンサンタセッのオープン記念に別注したもの。オールデンでもっとも愛用するVチップをベースに、2色のスウェードを使い、ストームウェルトで仕上げました。個人的には黒や茶の濃色のスウェードは好みではなく、淡いトーンに惹かれます。その方がスウェードの質感が活きるんですよね」

シューズ198,000円/オールデンフォーサンタセッ(Instagram@santasse_to_2020)、ジャケット、スウェット、パンツ/すべてヴィンテージ(私物)

70年代の空気を宿したシルエットに浮かび上がる漆黒の存在感|「JELADO Flagship Store」スタッフ・飯田涼太さん

【着用スウェードアイテム】JELADO/Smoke Cow Suede Black

手に取ったきっかけは、映画『バッファロー’66』のヴィンセント・ギャロだった。「タイトなスウェードジャケットを着た姿に衝撃を受けました。ギャロが着ていたモデルではありませんが、あの時代特有のムードから影響を受けている部分があると思います。今日は、70年代を思わせるジャケットのシルエットに合わせて細身のコーデュロイパンツを選びました」。シルエット以外にも、襟裏の隠しポケットや、背中に施された太陽をモチーフにしたようなデザインなど惹かれるポイントが多い。「着込んでいくうちに、パーツごとで毛足の長さに違いが生まれてくる。革の表情が変化する過程を楽しみながら長く付き合っていきたいです」

ジャケット 181,500円、トップス 16,500円、パンツ 28,600円、シューズ 88,000円、キャップ 18,700円/すべてジェラード (ジェラードフラッグシップストア Tel.03-3464-0557)

ヨーロッパの品を纏ったスウェードの表情が活きる大人の小物使い|「WAREHOUSE」広報・藤木将己さん

【着用スウェードアイテム】Church’s/Chelsea boots

「普段はラギッドなアイテムを着ているので、スウェードは小物で取り入れることが多いです。今回は、ベージュのエンジニアブーツやウエスタンブーツでアメカジの王道を行くのではなく、ダークブラウンのブーツを合わせて大人の落ち着きを出せたらなと」。端正なフォルムとスウェードの柔らかさの融合にダークブラウンの深みが重なり、足元から装い全体を洗練させている。「どこかで捻りを効かせたスタイルを意識しています。重ねた年齢に相応しい工夫が必要だなと感じますね」。思わず引き込まれる品格を放ち、コーディネイトの完成度を大きく左右する力を秘めたスウェードには、大人の選択を叶えてくれる頼もしさがある。

ジャケット 46,200円、Tシャツ、パンツ、ベルト/すべてウエアハウス(ウエアハウス東京店 Tel.03-5457-7899)、ブーツ/チャーチ、サングラス/マックス・ピティオン(私物)

使い込んでも表情を保ち続け品の良さを失わない質感が好ましい|「Attractions」代表・西﨑智成さん

【着用スウェードアイテム】BILTBUCK/Lot.329 LTD Suede Engineer Boots

音楽やバイクなどの50sユースカルチャーを深く理解する一方で、日本有数のレザーのスペシャリストでもある西崎さん。そのこだわりの詰まったビルトバックのレザープロダクツは、日本だけでなく、世界中の好事家からも絶大な評価を得ている。そんな西崎さんが愛用するスウェードは漆黒のエンジニアブーツだ。「黒のスウェードは昔から好きでしたが、特にエンジニアに使うラフアウトには真っ黒が少なく、とにかく黒味をあげたかったんです。だから自分たちのスウェードエンジニアブーツはそうならないように、革でお世話になっている業者さんに相談して、何度もテストを繰り返してもらって、完成しました」

コート79,200円、パンツ63,800円、帽子13,200円/すべてウエアマスターズ、ブーツ96,800円、グローブ28,600円/ともにビルトバック、サングラス33,000円/アトラクションズ(アトラクションズ Tel.03-3408-0036)

武骨なアメカジスタイルを程よく中和するバイプレーヤー的存在|「スマートクロージングストア 二子玉川店」店長・小野寺忍さん

【着用スウェードアイテム】RED WING/PECOS

スマートクロージングストア 二子玉川店の名物店長・小野寺さんが最も愛用しているスウェードアイテムはレッドウイングのペコス。同店の常連からプレゼントしてもらったという1997年製の1足で、毛足の長いラフな表情や、シューレースがなく着脱がしやすい点がお気に入りのポイントだ。「自分のなかでスウェードは、装いをマイルドにしてくれる存在。このペコスも柔らかなベージュの色味が武骨すぎず絶妙な塩梅です。バイクに乗るので黒ずみもかなり見られますが、気にせずにガンガン履いています。デニムと合わせることが多く、いまの時期だと防寒性の高いデッキジャケットを合わせたい気分です」

デッキジャケット79,200円、スウェットシャツ22,880円、ジーンズ25,300円/すべてフェローズ(フェローズtel.03-5725-9577、ニット帽/フェローズ(私物)

土地に根ざした手仕事が唯一無二の佇まいを作る|「MAIDENS SHOP」ディレクター・牧野真也さん

【着用スウェードアイテム】PAM DIETRICHWESTERN/JACKET

素材感の異なる茶系のアイテムでまとめた牧野さんのコーディネイト。フリンジが印象的なウエスタンジャケットは、アメリカ南西部の文化をルーツに持つブランド、パムディートリックのデザイナーであるパム氏本人から譲り受けたものだ。「去年の春にイベントをやった際、パムさんが我が家に忘れていった私物を貰いました。ここの製品は、すべて手縫いで1着あたり1週間ほどかけて作られています。コンチョボタンもネイティブアメリカンの職人がこのために作ったもの。尊敬するアーティストによる、替えのきかない特別な逸品です。ただ、元はと言えば忘れ物なので、次日本に来てくれたときにお返しするつもりです(笑)」

ニット120,000円/グレンマック(メイデンズショップ Tel.03-5410-6686)、ジャケット/パムディートリック、コート、パンツ/ともにエヴァンキノリ、マフラー/グレンマック×サンカッケー、シューズ/J.B.ヒル、ニット帽/ベックスヒル、メガネ/ヴィンテージ(私物)

最もミリタリーな形をホーススウェードで斬新に再構築する|「BUZZ RICKSON’S」ディレクター・亀屋康弘さん

【着用スウェードアイテム】BUZZ RICKSON’S/AVIATION ASSOCIATES M-1944 HORSE SUEDE PANTS

アメリカ海兵隊が1944年に採用したユーティリティーパンツを、ホーススウェードで再構築した1本。革にワックスを擦り込むことで柔らかく、しなやかさと経年変化による濃淡の表情も楽しめる。また、生地が重なるポケットまわりやマチ部分も自然に馴染み、レザーパンツ特有の硬さを感じさせない。「レザーパンツは5ポケット型が一般的ですが、あえて最もミリタリーらしい形を踏襲しました。柔らかなスウェードなので穿いたその日から馴染んでいきます」。同じ海軍由来のAN6552を合わせ、異なる革による茶のグラデーションを効かせている。

パンツ275,000円、シューズ86,900円/ともにバズリクソンズ(東洋エンタープライズ Tel.03-3632-2321)、ジャケット/バズリクソンズ、シャツ/シュガーケーン、メガネ/金子眼鏡、スカーフ/ヴィンテージ(私物)

表情はラフでも革靴本来の品格は揺るがない|「Paraboot」PR.ホールセールス・唐澤寿幸さん

【着用スウェードアイテム】Paraboot/MICHAEL -GREEN SUEDE EDITON-

昨年、パラブーツ大阪店の10周年を記念してリリースされた、グリーンのスウェードを採用した限定モデル。茶トラのシューレースにナチュラルウェルトという、トレッキングブーツ由来の意匠は、同ブランドのとある1足から踏襲されたものだ。本来のスムースレザーからスウェードへの素材変更で、ルックスはカジュアルに、履き心地や足あたりの柔らかさが向上。「普段はチノパンやスウェットパンツが多いから、ミカエルをスニーカー感覚で履けるこの1足がちょうどいいんです。ラフな服装でも足元を自然に引き締めてくれます」。実用性とこなれ感を両立した、日常の着こなしを支える1足だ。

シューズ/パラブーツ、ジャケット/エンジニアド ガーメンツ、パーカ、パンツ/ともにロサンゼルス アパレル(私物)

(出典/「Lightning 2026年3月号 Vol.383」)

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