首里で愛されて95年。老舗「首里 知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店」で味わう琉球と日本の味(那覇市)
那覇市首里の静かな住宅街に佇む「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」は、創業95年を迎える老舗の和菓子店です。1930年(昭和5年)、首里城のふもとで琉球菓子を作りはじめて以来、地域の人々に親しまれ、世代を越えて愛されてきました。 現在は「当蔵店」と「石嶺店」の2店舗を展開。3代目・知念秀和さんが岡山県での6年間の修行を経て立ち上げた和菓子ブランド「四季彩」も展開し、二つの看板を掲げています。今回は、石嶺店におうかがいしました。
琉球の歴史を今に伝える「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」の琉球菓子
かつて琉球王国時代、王族への献上や祭祀、歓待料理として用いられてきた琉球菓子。 格式高い歴史と文化を、いまも大切に受け継いでいます。 人気の「薫餅(くんぺん)」は後ほど紹介しますが、木型で手作りされる「金楚糕(ちんすこう)」や、職人技が光る「花ぼうる」など、昔ながらの味が今も県民に親しまれています。 薫餅(サイズ大・税込180円/サイズ小・税込130円)、金楚糕(税込80円)、花ぼうる(税込180円)と、手に取りやすい価格もまた、長く愛され続ける理由のひとつです。
さきほどの写真の左に写っていた「薫餅(くんぺん)」を、半分に切って見せてもらいました。ピーナッツとゴマをふんだんに使った、香り高い一品です。 沖縄のお土産といえば「ちんすこう」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ぜひ一度は味わってほしいのが、伝統銘菓「薫餅(くんぺん)」。ひと口ほおばると、ピーナッツとゴマの香ばしさ、そしてしっとりとした生地のやさしい甘さが口いっぱいに広がります。 素朴でありながら、姿にも味わいにも品格を感じる、沖縄が誇る逸品です。
「首里知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店」の魅力いっぱいの店内にならぶ和菓子たち
「首里知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店」に入ると、目の前にはずらりとならぶ和菓子の数々。 琉球菓子や和菓子だけでなく、プリンやシュークリームまであり、お菓子好きの私はショーケースを前にワクワクしました。
「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」といえば首里(すい)どら
老若男女問わず人気なのが「首里どら(すいどら)」。常温で保存できる「プレーン」や「塩」、要冷蔵の「生どら」「生どら抹茶みるく」「生どら苺みるく」など、種類も豊富です。 今回は「プレーン」をいただきました。ふんわりとした生地に、ほどよく甘いあんこ。 日本を代表する和菓子の魅力を改めて感じさせてくれる一品です。シンプルながらも奥深い味わい。やわらかな餡子と生地が重なり合う瞬間、口のなかにふわっと広がる甘さの余韻が、なんともいえない幸福感をもたらしてくれます。
沖縄でめったに味わえない四季折々の光景をうつす上生菓子(じょうなまがし)
ショーケースにならぶ上生菓子(じょうなまがし)は、店主・知念さんが力を注ぐ看板商品。 日本の四季を繊細に映した生菓子は、思わず見とれてしまうほどの美しさです。春夏秋冬のモチーフに加え、端午の節句や節分など季節の行事をテーマにしたものも時期に合わせて店頭にならび、伝統のなかに遊び心がのぞきます。 上生菓子は季節ごとに変わるのではなく15日周期で入れ替わるため、訪れるたびに新しい出会いが待っています。 一期一会のように、季節の趣を大切にしたお菓子。見た目の美しさに心を奪われ、味わう前からときめきを感じさせてくれます。
上生菓子には、それぞれ異なる素材と技が込められています。 まず「薯蕷(じょうよ)」は山芋を使った生地で、ふんわりとやさしい口あたりが魅力。次に「煉切(ねりきり)」は白あんに求肥や餅粉を合わせ、しっとりとなめらかに仕上げたもの。最後に「浮島(うきしま)」は餡に玉子や米粉、砂糖を混ぜて蒸し上げた生地で、カステラのような甘みとしっとりな口どけが楽しめます。 写真左から順に、薯蕷と小豆こしあんを使った「渓紅葉(たにもみじ)」、煉切で小豆粒あんを包んだ「梢の錦(こずえのにしき)」、浮島と栗ようかんを重ねた三層仕立ての「並木路(なみきみち)」。秋の情景を映すように、穏やかな彩りと繊細な意匠が心を和ませます。 手のひらにのる小さな世界に宿る技の芸術を「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」で感じてみませんか?
和菓子だけじゃない!「首里知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店」にならぶのはスタッフの得意技も
石嶺店で働く従業員のなかには、製菓学校を卒業し、志願して知念さんのもとを訪ねてきた若いスタッフもいます。 知念さんは和菓子を得意としていますが、知念さんは、「彼らは僕の得意分野ではない、パンや洋菓子づくりにも長けている。技があるならお客さまの手にもとってほしい」と語ります。それぞれの得意分野を生かしながら商品を生み出し、お店を一緒に支えています。 取材のあいだも、お客さまの足が途絶えることはありません。私がいた時間だけでも10代~70代の方々がショーケースにならぶ多種多様な菓子を前に、迷いながらも「これ、ください!」と声を弾ませる姿が次々と。 「首里 知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店」がどれほど多くの人の日常に彩りを添えているのかを感じました。
「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」のモットー。“菓子をつくる心 その心をそのままつたえたい”
店内には「知念菓子店の歩み」が飾られています。 菓子店の息子として生まれた知念さんですが、意外にも最初は会社員として働いていたそうです。ある日、岡山への出張が決まります。出張の折、勧められて訪れた岡山城の散策。たまたま開かれていた茶会の席で、はじめて“和菓子”に出会いました。 茶会のあと、和菓子を手がけた店を訪ねた知念さんは、心を惹かれ、悩んだ末に会社の上司に相談、会社を辞めて岡山へ修行の旅に出ます。「修行はたいへんでしたか?」と尋ねると、「たいへんと思ったことはない。沖縄に帰りたいと思ったこともなかった。」と、きっぱり。 和菓子の技術と日本文化を一心不乱に吸収した修行時代。技を沖縄へ持ち帰り、いまでは“教え子”と呼べる若い職人たちも育つほどの存在になりました。 「お客さんがあってのお店」と話す知念さん。菓子店の息子として生まれた背景も、会社員時代の経験も、そのとき背中を押してくれた上司の存在も、そして和菓子との出会いと師匠との出会い、すべてが巡り合わせだったといいます。 出張先の偶然からはじまった知念さんの和菓子の道。知念さんの物語の続きを、「首里 知念製菓 和菓子 四季彩」で味わってみませんか。
首里 知念製菓 和菓子 四季彩 石嶺店住所
〒903-0804 沖縄県那覇市首里石嶺町2丁目260-1
電話番号
098-884-3813
営業時間
8時~17時
定休日
日曜日
駐車場
有り
クレジットカード・電子マネーの利用
可
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