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ヤクルトレディーが不用品回収。高齢者を見守る郵便局員。異色タッグのワケ

TBSラジオ

家で眠っている不用品。捨てるのも忍びなくて困っていると言う方も多いのではないでしょうか。

「こんにちはヤクルトです。要らないものありますか?」

先月から、広島県限定で、ヤクルトを配達する「ヤクルトレディー」が、配達ついでに不用品も回収してくれるサービスを始めたということで話を聞きました。ヤクルト山陽の、長田 宗一郎さんのお話。

ヤクルト山陽・サステナベーションカンパニー 長田 宗一郎さん

ヤクルトレディーが定期的に、週に一度お宅に訪問してるんですけれども、そのコミュニケーションの中で、家にある不用品を、メルカリのアカウント作成をして出品してるような形になっています。
ピンポンって押して、「こんにちは、ヤクルトの〇〇です。お元気ですか?今日もお届けに行きました。最近調子どうですか?」っていう形でコミュニケーションしながら、商品の届けをさせていただきます。
その後に、「家の中に眠ってて、使ってないものって何かありませんか?」とか「私だったらこういうものがあるんですけど」という形でお伝えをしております。お客様が「あるわよ、こういうものがあるよ」ということであれば、可能な限り、玄関のところまでお持ちいただく形です。

メルカリの出品を代わりに行ってくれるサービスで、広島県の三次市(みよしし)と安芸高田市(あきたかたし)限定で、今年6月~来年3月まで実験的に行っています。
対象は、ヤクルトを取っている顧客。「いらないけどまだ使えるもの」があった場合、地域のヤクルトセンターに持ってきてもらえれば、メルカリ出品を代行してくれます。
また、足が悪い方やセンターが遠い方などは、ヤクルトレディーがお宅まで引き取りに来てくれます。

名前で呼び合う仲で、信頼関係が出来ている

でも、実際に商品は集まっているのか?ヤクルト山陽の長田さんに聞きました。

ヤクルト山陽・サステナベーションカンパニー 長田 宗一郎さん

既に50品以上は出品をして、売れてるものもあります。
着物とか食器系になりますね。結婚祝いとかでもらったはいいけどなかなか使ってなくて。でも誰かのためにはなるよねみたいな食器がすごく多くあるみたいなので、それを受け取る機会が多いです。
お客さんからすると、大体個人名で言われるんですよね。「ヤクルトの〇〇さん」って、名前で。例えば私だったら「ヤクルトの長田さん」って。そういった名前で呼び合う関係値も築いてますので、そういったのが安心感には間違いなく繋がってるかなって。
他の宅配業者さんも多くいらっしゃると思うんですけど、個人の名前を知ってるってなかなかないじゃないですか。
そこがやっぱりヤクルトの強みかなとは思いますね。

「絶妙な距離感」だからこそ、不用品の回収も受け入れてくれるそうです。
例えば、ペアグラスが3000円、ワンピースが3500円でソールドアウトしていたり、実際に売れているものも出てきています。
通常のメルカリや不用品回収とは異なって、売り上げは自治体や福祉団体に寄付されて、お客さんが儲かることはないそうですが、それでも、メルカリの使い方がわからない高齢の方たちが積極的に不用品を提供。
ヤクルトのユーザーに高齢者が多いのも、相性がいいようです。

2万件のネッワークをもつ郵便局の見守りサービス

さらに、このような「絶妙な距離感」を活かしたサービスは、郵便局でも広がっていました。日本郵便の地方創生推進部、仁昌寺 弘貴さんのお話です。

日本郵便・地方創生推進部 仁昌寺 弘貴さん

ご高齢の方が、お住まいの近くの郵便局社員がお客様のご自宅を訪問してですね、お話をする中で、その様子を確認して、写真も撮らせていただいてですね、その報告書を離れて暮らすご家族の方などにお伝えすると。
最初は恥ずかしがったりするような方はいらっしゃるということなんですけど、回数を重ねるごとにだんだんピースしてくれたりとか。
「近くの郵便局の誰々さんが来る」っていうのが、とてもいい距離感で、「誰々さん、こんにちは」ってみんな名前呼べるような地域も、郵便局も中にはあったので、やっぱりその地域における郵便局と地域の方の近さっていうのは、あるのかなと。

高齢者の「みまもり訪問サービス」。窓口担当の方や、郵便局長が高齢者のお宅に訪問し、離れた家族に写真を送ってくれるサービスで、ひと月2500円。
郵便局では、さらに相続や家財・遺品整理、葬儀、介護等、終活に関するご相談を伺う「郵便局の終活日和」というサービスを開始するなど、サービスの幅を広げています。

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