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がんと生きるってどういうこと? 伝えたい「知識」と「支え合い」の大切さ 両側乳がんになりました

SODANE

がんと生きるってどういうこと? 伝えたい「知識」と「支え合い」の大切さ 両側乳がんになりました

がんと生きるってどういうこと? 私が伝えたい「知識」と「支え合い」の大切さ

ちょうどピンクリボン月間の10月ということもありますが、様々なところでお話をする機会をいただいています。今回はその中で江別蔦屋書店さんでお話した内容をお届けします。

私は、テレビ局員として、がんというテーマを追いかけ続けてきました。19歳で乳がんになった女性に出会ったのが、私のピンクリボン活動の原点です。そこから20年以上、ずっと乳がんと乳がん患者さんを取材し続けてきたところ・・・6年前に、今度は私自身が乳がんに罹患することになってしまったのです。

知識があっても「ガーン」と落ち込む

長年取材してきたので、知識は人一倍あったはずなのに、いざ自分が当事者になると、本当に迷うこと、困ることがたくさんありました。

知識がない中で突然「がんです」なんて言われたら、そりゃもう「ガーン」と落ち込むのは確実です。だからこそ、皆さんに伝えたいのは、正しい知識を少しでも持っておくことの大切さです。知識があれば、その後の「次の一歩」を選ぶ力が全然違ってきます。

私も関わらせてもらった『ピンクリボンと乳がんまなびブック』という本があるんですが、もしよかったら読んでみてください。きっと、もしもの時の助けになるはずです。

https://breastcare.jp/item1017/

必ずしも「がんは死」じゃない、でも「生きづらい」

私は18歳で父を胃がんで亡くしました。家族が本人に病名を伝えない時代でした。でも今は違います。

それでも、今の社会には、まだ「がん患者は生きづらい」という空気が残っていると感じています。特に、働き盛りの世代のがん罹患率はどんどん上がっていて、今や日本人の2人に1人ががんになる時代です。男性も女性も、好まざるとも、がんとともに働き、生きていく必要があります。

病院に「通院」しながら働いている人は、2000万人超え。でも、がん患者さんは「残業が多い」「迷惑をかけたくない」といった理由で、すぐに仕事を辞めてしまう(びっくり離職)ことが多いんです。これは、患者さんの思い込みと、会社側の理解不足、お互いのミスマッチから生まれてしまいます。

家族には「隠さない」でほしい

がんと診断されたとき、誰にどう伝えるか、すごく悩みますよね。

ある患者さんは、お子さんに乳がんであることを隠していたんですが、ドキュメンタリーを一緒に見た時、お子さんが「ママ、知ってたよ」と言ったそうです。そして、「隠されてる方が辛かった」「ちゃんと言ってくれたら、もっとお手伝いできたのに」と。

海外のデータでも、家族に病状を伝えた方が、その後の生活がスムーズにいくという結果が出ています。私の母も乳がんを経験していますが、私が罹患したことを伝える時はそれでも悩みました。すぐには言えず。

母の不安を考え、手術が終わって、治療方針が全て決まってからにしました。正解だったかどうかはわかりません。

親や家族だからこそ、正直な気持ちを折り合わせて、「どうしたいか」を対話することが、一番の支えになるのではないかと思います。

「頑張って」よりも「どうしたい?」

がんになった人に「大変な戦いですね、頑張ってください」って言いがちですよね。でも、私はその言葉にすごくプレッシャーを感じました。

それよりも、周りの方には「あなたはどうしたいの?」「何か手伝えることある?」と聞いてあげてほしいんです。そう言ってもらえると、「今すぐじゃないけど、この人が助けてくれるって思える」だけで、すごく大きな心の支えになる可能性があります。

そして、患者さん自身にもお願いしたい。遠慮して全部自分でやろうとしないで、周りの人を頼ってください!

自分の今の状態を伝えて、「ここまでならできる」「ここは得意な人にお願いしたい」と正直に伝える勇気が必要です。私も人に頼れない人でした。

頼れなかったからこそ、頼って、みんなで出来上がったものはみんなでその喜びも分かち合えることを知りました。

そして、案外、周りにはいつでもあなたを助けられる人がいるかもしれません。

「空車のタクシー」のように。

助けが必要なときは、ためらわずに、手を挙げてくださいね。

病気は突然やってきます。でも、一人じゃありません。

知識というチカラをもって、つながって、一歩ずつ前に進んでいきましょう!

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