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灯し続ける“平和の火” ノーベル賞 大船観音寺でも祈願

タウンニュース

大船観音寺で行われた平和祈願式典。右奥が「原爆の火の塔」

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞がノルウェーで授与された12月10日、原爆の残り火が灯され続ける大船観音寺でも平和を祈願した。日本被団協に属する神奈川県原爆被災者の会、鎌倉市被爆者の会(いちょうの会)のメンバーらも訪れ、受賞の喜びを噛み締めるとともに、核廃絶への思いを強くした。

1945年8月、米国によって広島と長崎に原子爆弾が投下され、多くの命が奪われた。広島を焼き尽くした炎の残り火は、福岡県の役場で「平和の灯火」として絶やすことなく燃え続け、1990年に大船観音寺へ分火。境内に建立された塔の中では今もなお、原爆の火が灯され続けている。

ノーベル平和賞受賞を記念して10日に開催された平和祈願の式典で、参列者たちは原爆の火を眺めながら平和を願った。長崎出身で、県原爆被災者の会事務局長の東勝廣さん(82)は、「受賞できたのは平和活動を援助してくれた人々のおかげ。今後も活動に邁進していきたい」と述べた。

「核と人間は共存できない」

式典には約30人が参列。県原爆被災者の会副会長で、鎌倉市被爆者の会会長の網崎万喜男さん(83)は、4歳の時に広島で被爆。鎌倉では小学校での出前授業、展示を通じて核の恐ろしさと平和の尊さを後世に伝える。歩みを止めそうになったこともあったと言うが、「今日は街の人に祝ってもらえた」と笑顔を見せた。「これからも、核と人間は共存できないことを訴えていきたい」と続けた。広島で7歳の時に被爆し、網崎さんとともに活動する塩瀬康雄さん(86)は、「活動が認められて非常にうれしい。頑張っていく」と思いを新たにした。

原爆投下から79年が経過し、被爆者の高齢化は進む。父親が広島で被爆した大津定博さん(61)は、「二世の私たちが意思を継いで活動していかなければならない」と心に誓った。

同寺境内には、慰霊碑や平和祈念塔もあり、毎年秋には神奈川県原爆死没者慰霊祭が開かれている。

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