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通知表を廃止「劣等感を感じないように」実は決まりごとがないって知ってた?

Sitakke

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小学校低学年への通知表をめぐり、岐阜県美濃市の小学校で、今年度から取られる対応が注目されています。

今年度は1年生だけ、来年度からは1年生と2年生の通知表を廃止するというのです。

その理由は、通知表を見せ合うなどして児童たちが比較することで、いらぬ劣等感を抱くのはよくないという考えです。

1975年、昭和時代の小学校の様子を映像で見てみると…。

受け取った通知表を誇らしげに、あるいは照れくさそうに受け取る子どもたち。
互いのを見せあうようなシーンも見られました。

美濃市教育委員会の島田昌紀教育長は「通知表廃止」の意図をこう説明します。

「例えば『友達よりも自分は勉強が苦手なんだ』とか『みんなは(◎が)これだけあるのに、これだけしかない』という劣等感とか、低学年の発達段階で、そういうものを感じる素地を作ることを防ぐ」

美濃市では通知表の評価は『二重丸◎・丸○、そして三角△』の3つです。

丸の数が減った、増えたということだけに注目し、できないことに話が偏るのは良くないという美濃市の説明。

今後、通知表はなくなりますが、7月ごろと12月ごろに行う保護者との個別の懇談や年度末に渡す「修了証」に担任が所見を書き、児童の学習や生活の様子を具体的に伝えることにしています。

通知表廃止、どう思う?

札幌市のマチでも意見を聞いてみると…。

20代
「高学年になると自分でも理解できるのであった方がいいが、低学年は見てもよくわからないと思うのでいらないかな」

50代
「大きくなってからはちゃんと○×はあった方がいい。あまり自由なのも…小さいうちはいいのかもしれない」

一方で、親目線では、ある楽しみがあったといいます。

50代
「人と上手に付き合っていく子で『友達が集まってきて』というコメントは毎年のように書かれていたので、楽しみに見ていた。ちょっとうれしいです」

60代
「(廃止は)ちょっと違和感はあります。保護者と先生とのコミュニケーションができればいいが、私の時代は、『5・4・3・2・1』の5段階評価でした。体育はずっと『2』でした。運動苦手だったのでずっと『2』で、障害物競走の時に初めて2等賞になり、そのときの体育は『3』になった。それは私の小学校時代のいい思い出」

そもそも通知表が廃止になった経緯は?

美濃市の小学校で低学年の通知表廃止に至ったのは2024年11月。

地域の教育委員から低学年の児童に渡す通知表の必要性について疑問の声があがりました。

それを受け、美濃市内5つの小学校の校長が集まって検討し、12月、1年生と2年生の通知表をなくすことが決まりました。

1か月で決まったわけですが…
実は、通知表は明治時代に学校制度ができて以来習慣化されていますが、実は、学校に関するルールを定めた指導要録には決めごとはなく、学校ごとに、通知表は独自の運用ができるんです。

通知表は全国一律、当たり前の存在のようでしたがそうではないんですね。

実はバリエーション豊かな通知表

学校ごとの裁量で通知表は作られるのですが、そのため、バリエーションも様々なんです。

明治や昭和初期には「甲・乙・丙(こうおつへい)」、さらに「優・良・可」などに変わっていきます。

昭和後半から平成令和とすすむと表現も多様化、アルファベットで「A・B・C」、美濃市のように「二重丸・丸・三角」、また言葉で「大変よい・よい・もう少し」などがありました。

通知表の名前も「通知表」、「通信表」、「あゆみ」、「のびゆくすがた」など学校ごとの個性が出てますよね。

これからの通知表はどうなっていくのでしょうか?

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年5月12日)の情報に基づきます。

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