平野啓一郎の長編小説『ある男』が25年8月にミュージカル化 浦井健治、小池徹平らが出演
2025年8月東京建物 Brillia HALL(広島、愛知、福岡、大阪あり)にて、新作オリジナルミュージカル『ある男』が上演されることが決定した。
平野啓一郎が、人間の存在の根源と、この世界の真実を描き、読売文学賞を受賞した長編小説『ある男』(2018年9月、文藝春秋刊/英訳版“A MAN” も、2020年6月に世界に向けて発売)。
この度、映画化もされた本作がミュージカル化される。
音楽は、ブロードウェイでも数々の新作を生み出し高い評価を受ける、ジェイソン・ハウランド、脚本・演出は人間の心を深く表現することで定評のある瀬戸山美咲、歌詞は日本ミュージカル界に欠かすことのできない高橋知伽江が務め、2025年8月、日本での開幕をスタートとし、世界を目指す一作として生み出す。
自分は何者か、肩書、人種、国籍など、色々なものを剥ぎ取り本質を見つめた時、残るものは何か。
“ある男”が死んだ時、その男は本当は何者だったのか。
アイデンティティはどこにあるのかと問わざるを得なくなる。
個人を個人として規定するものは、内面なのか、社会的な立場や評価、戸籍などの記録か、血筋なのか。
“普通”の幸せを求め続けた男。
“普通”の幸せを生きているフリをしながら、自分とは何か、もがきながら生きる男。
この物語は、懸命に生きる現代の人々の心に何かを問う時間となる。
注目の出演者も決定。城戸章良役に浦井健治、ある男・X役に小池徹平(W主演)をはじめ、後藤美涼役に濱田めぐみ、谷口里枝役にソニン、谷口恭一役に上原理生、谷口大祐役に上川一哉、城戸香織役に知念里奈、小見浦憲男/小菅役に鹿賀丈史、など、豪華キャストが出演する。
【あらすじ】
「仮に、Xさんと呼ぶことにします」
弁護士の城戸章良は、「ある男」についての奇妙な相談を受ける。
宮崎に住む谷口里枝は、愛する夫を仕事中に起きた不慮の事故で失ってしまう。
しかし、夫の兄から知らされたのは、遺影に写る愛した人が全くの別人だということだった。
戸籍で示されるはずの個人の証明。人は何をもって「個人」として存在するのか。
真実を追う中で城戸もまた自身の葛藤と向き合うこととなる。
自分の価値とは何なのか―。自分の生きる道は、自分で選ぶことができるのか―
ある男が生きた人生を通して見えてくる、自分の存在と意義。
我々は、この世界の真実に触れる。
クリエイターコメント
■音楽 ジェイソン・ハウランド
この度、日本の皆さまに、新しいミュージカル作品『A Man』をお届けできることを大変楽しみにしています。この物語の核心にあるストーリーには、外面的なミステリーと内面的な葛藤を同時に解き明かしていくという、非常に心を動かされる魅力があります。そして、この物語は音楽のために生まれたような豊かな要素を持っています。
希望、愛、喪失、切望、痛み、そしてユーモア——まさに人間のあらゆる感情を描いた歌が詰まっています!作曲家にとって夢のような才能あふれる素晴らしいキャストの皆さんとともに、この物語がどのように展開していくのか、観客の皆さまにご覧いただける日が待ちきれません。この作品がどのように響くか、一緒に体験できることを心から楽しみにしています!
■脚本・演出 瀬戸山美咲
ミステリーでもあり、人間の心の奥底を見つめる優れたヒューマンドラマである平野啓一郎さんの原作をミュージカルにします。生きづらさを抱える人たちにそっと寄り添えるような作品にしたいと思います。お客さまの心の奥に届くよう、ジェイソン・ハウランドさんと高橋知伽江さん、そしてこれ以上ない素晴らしいキャストのみなさんとともに、この「心の旅」を繊細に積み上げてまいります。ミュージカル『ある男』、どうぞご期待ください。
■歌詞 高橋知伽江
目の肥えた大人も楽しめる粋な舞台誕生の予感に胸を躍らせています。現代社会が抱える問題がいくつも描かれ、その陰影の中に永遠に輝く真実が見えてくるという繊細なストーリーです。『生きる』でご一緒したジェイソン・ハウランド氏の音楽は今回もまた自由自在で魅力的。脚本と演出担当の瀬戸山美咲さんは、複雑な原作をていねいに読み解いてくださるので、私も歌詞担当として一生懸命に伴走していきます。熱意と才能あふれるスタッフ・キャストの皆様と共に、深い感動をお届けできる日が楽しみです。
キャストコメント
■浦井健治(城戸章良)
ある男。この素晴らしい小説を、まさかミュージカルに!? しかもキャスト陣の凄い顔ぶれに興奮しています! ジェイソンさんとは、『デスノート THE MUSICAL』からお世話になっていて、ただただ信頼しかありません。物語に寄り添い、余白までも豊かに膨らんでいく楽曲。そして、台詞の後ろに流れる音達も、豊かで、多彩で、音で「思想」までも表現し、我々をその世界に誘って下さる。音の中に役を演じる上での「道標」もある。ジェイソンさんとオリジナルミュージカルを立ち上げる創作現場で組めること、心から幸せに思います。
最高の座組で挑みます!!
■小池徹平(ある男・X)
今回、『デスノート THE MUSICAL』以来の共演となる浦井健治さんをはじめとした素敵なキャスト、スタッフの皆さんと共に、新しい作品に携われる事にとても気持ちが高揚しております。
皆さんに楽しんでもらえる作品になる様に、全力で励んで参ります。
ミュージカル『ある男』ご期待下さい。
■濱田めぐみ(後藤美涼)
新しい世界の幕開き。 どんな舞台に仕上がるのか今から興味深々です。
それぞれの生き様、考え方、捉え方。生々しくリアルにかつ不思議で、それでいて身近で共感出来る様な舞台。
ドラマチックな展開で、皆様と一緒にラストまでの旅を楽しみたいと思います。
これからゼロから立ち上げるオリジナル作品。全力で挑みたいと思います。
■ソニン(谷口里枝)
この作品に参加する事は、私の人生にとって意味のあるものになると思うので、どのような景色が見えるのだろうと胸を膨らませています。
キャストのほとんどの方が、何度も共演経験ある気心知れた方々なので心強く、切磋琢磨しながら良い作品に作り上げていく事、また、演出家の瀬戸山さんとの初のお仕事も、2 度目ましての作曲家ジェイソンとの再会も、とても楽しみにしています。
■上原理生(谷口恭一)
お話をいただいて原作を読むことから始めたのですが、人が名前や戸籍、その素性を全部脱ぎ去った時に残る「培ってきた時間」や「愛情」は本物なのか、「人」とは何を基準に存在するものなのかを考えさせられました。
平野啓一郎さんの緻密で濃密なヒューマンミステリーがどんな舞台作品になるのか、そしてこのオリジナルミュージカルをゼロからどんなふうに作り上げていくのか今から楽しみでなりません。ご期待ください。
■上川一哉(谷口大祐)
カンパニーの一人としてこの作品に携われる事に、心から感謝いたします。
海外でも人気の高い小説がどのような形でミュージカルとして誕生するのか、今から期待と興奮でいっぱいです。
この作品には、今を生きる我々に問いかけるメッセージがたくさん描かれていると思いますので、その一つひとつをお客様に丁寧にお届けできるよう、全身全霊で務めさせていただきます。
■知念里奈(城戸香織)
日本で新しく生まれるオリジナルミュージカルに参加できることを嬉しく思っています。
原作が面白くて映画も拝見していたので、この物語がミュージカルになったときにどんな魔法がかかるのか、私自身とても楽しみです。
素敵な作品になるように、カンパニーの皆さんと一緒にベストを尽くします。
どうぞご期待ください。
■鹿賀丈史(小見浦憲男/小菅)
新作のオリジナルミュージカルに出演できることを非常に嬉しく思っています。
特に今回は2役、2人の人物を演じるということです。それも2人は真逆な性格の持ち主で、それぞれ歌うナンバーも当然違ってくるわけで、非常に楽しみにしております。
かなり面白い作品になると思いますので、皆様もどうぞご期待していただきたいと思います。
1つ付け加えますと、相変わらず1番年上の役でございます。笑