【横浜市栄区】・中谷哲太朗さん 日本音楽コンクールのバイオリン部門で1位に 観客魅了し「聴衆賞」も
クラシック音楽の若手演奏家の登竜門として知られる「第94回日本音楽コンクール」のバイオリン部門でこのほど、栄区東上郷町在住の中谷哲太朗さん(東京藝大附属音楽高校2年)が1位に輝いた。また、演奏を聴いた観客が、強い印象を受けた出場者を投票で決める「聴衆賞」も獲得した。
同コンクールは楽壇最高の登竜門とされ、90年以上の歴史がある。著名な音楽家が過去の受賞者に名を連ねており、優れた新人音楽家を世に送り出してきた。主催は毎日新聞社とNHK。
バイオリン部門は満15歳から29歳以下の99人がエントリー。第1、第2、第3予選を経て、4人が本選に進む。中谷さんは、昨年に続き2回目の挑戦だった。「昨年は第2予選までだったので、(今回は)本選行きをめざしていた」。2つのプログラムから1つを選択するなど国際コンクールレベルの第3予選を突破した中谷さんは10月26日の東京オペラシティコンサートホールでの本選に挑んだ。中谷さんは、「一番好きな曲で自信のある曲だった」とチャイコフスキーのバイオリン協奏曲(inDmajorOp・35)を本選で披露し、1位と聴衆賞を手にした。2歳の終わりごろに港南台の山澤バイオリン教室で習い始めた中谷さんを指導していた恩師、山澤敦子さんは「皆が弾く曲を誰よりも楽しそうに歌いながら遊んでいる赤ちゃんでした。今回の受賞を一つの糧に心に響く演奏を目指して欲しい」と期待する。1位に輝いた中谷さんは「嬉しかった。将来は世界で活躍する演奏家になりたい」と前を向く。