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「私のことは『お母さん』でいいからね」一路真輝×愛加あゆ~『エニシング・ゴーズ』インタビュー

SPICE

(左から)愛加あゆ、一路真輝

ブロードウェイ・​ミュージカル『エニシング・ゴーズ』が2021年8月11日(水)~29日(日)(一部公演中止)、明治座にて上演される。『エニシング・ゴーズ』は名匠コール・ポーターの名作と名高いミュージカル・コメディで、宝塚歌劇団の座付き作家・原田諒を演出に迎え、宝塚歌劇団星組元トップスター紅ゆずるが主演を務める。紅は退団後初の本格ミュージカル出演となる。

本作は、1934年、世界が大恐慌から立ち直りつつある時代に初演された傑作ミュージカル。豪華客船を舞台に、ナイトクラブのスター・リノ、青年実業家のビリー、英国紳士でホープの婚約者イヴリン、社交界の華であるホープの恋が交錯する。何でもあり(エニシング・ゴーズ)な豪華客船の旅を描く。

今回、ホープ役の愛加あゆと、ホープの母であるホープ夫人役の一路真輝に本作に関して話をうかがうことができた。

ーー今回、明治座初、ブロードウェイ・ミュージカルの上演となります。

一路:そうなんですね。明治座さんは確かに和物でしか立ったことがないなと思いました。『細雪』とか『女たちの忠臣蔵』とか……和物ばっかりだったので、確かに「そういえばそうかぁ」と思いましたけれど、何事ごともはじめてというところに参加させていただけるのはありがたいと思っています。頑張ります。

一路真輝

愛加:(明治座には)和物で1度出て以来になります。博多座さんは提灯があったりとか、明治座さんは桟敷があったりとか作りが独特の劇場の印象です。ただ、恐らく、演じる私たちよりも、観に来てくださる方のほうが不思議に感じられるかもしれませんね。

一路:そうね~、入口がね~!

愛加:そうなんです、ロビーに入って、幕が開くと完全な洋物、って、新鮮な気持ちかもしれませんね。

ーーご自身の役どころについて。

一路:(愛加演じる)ホープの母親で、自分の私利私欲のために政略結婚させる強欲なおかあちゃんって感じです(笑)。でも、原田先生が「それぞれの登場人物の人生を大事に演じてほしい」とホン読みでお話しされたので、私なりに考えたんです。自分のためではあるけど、結局、最後は娘が幸せになるために選んだ道……と解釈して演じたいなって思います。音楽も軽妙だし、舞台もクルーズ船で豪華な話なので、そこに埋もれないように、少し大きく役を作ってやりたいなと思います。私自身はすぐ騙されてしまう役どころなので、愛犬のチーキーちゃんとともにわーって出てきて、わーってはけます(笑)。

愛加:ホープは政略結婚させられそうになっているんですが、本当は気になっている人がいるという役どころです。原田先生とも色々お話しさせていただいたんですけど、ホープ自身が持っている芯の強さようなものをしっかり作っていないといけなくて。ただ、お母さまの影響を受けている部分で「しっかりしなきゃ!」と感じていたりも……。

一路:ふふ、反面教師(笑)。

愛加:(笑)。でもそのお母さまの血を引いているなか、自分の意見も持ちながら生きているという強さもある。まだお稽古が始まったばかりで全然役は固まっていないんですけど、ここから頑張って役を理解していきたいなと思っております。

愛加あゆ

ーー今回、親子役での共演となりますが、お互いの印象はいかがですか?

一路:ホン読みの時、席がすごく遠かったの! だから、こうして対談させていただけて助かっています。(コロナ禍でもあるので)普段稽古場でお話しすることがむずかしいので、お互いの役へのイメージを聞くことができて、とても嬉しいです。親子関係としては……まぁ、娘を政略結婚させようとしているので、どうなの?! って思っているんですけど。

愛加:そういう時代です……!

一路:ね、政略結婚が当たり前の時代(1930年代アメリカ)だとお客さまも思っていただけるかなと思います。私たちはお互いに宝塚を通ってきているので、(本当に)はじめましての女優さんよりは話しやすい、本番までに関係をもっと深めていけたらと思っています。

愛加:私は地方に住んでいたので、中々劇場に行くこともできなかったのですが、ビデオで何度も宝塚を見ていて、その時に一路さんをたくさん見ていました。もう『エリザベート(一路の退団公演であり日本初演)』の衝撃ったらすごくて、宝塚ファンの同級生とキャッキャしながら文通していたんです。休み時間になったら、友だちと毎日ビデオの感想を話していた、そのスターさんが、まさか自分のお母さま役なんて……本当に本当に、ありがとうございます、頑張ります……!(一路に向けて)初日にご挨拶させていただいた時にすぐに「なんて呼ばれてるの?」って聞いてくださって、「私のことは『お母さん』でいいからね」って。

一路:(笑)。

愛加:その優しさがもう……すごく嬉しくて、その優しさに入り込みます……! って、嬉しかったですって、すみません、感想になってしまいました(笑)。

一路:先月までみんな他の仕事で忙しくて、まだ全体で合わせるようになってから2日なんですけど、そんなことを感じることもなくすんなり馴染めたので、宝塚の絆はありがたいなぁと思っています。

ーー紅さんが以前、一路さんに会ったら卒倒してしまうと自分のことを心配されていましたが、紅さんとの初対面はいかがでしたか?

一路:全然卒倒してませんでしたよ、「あ、しゃあす」(紅のモノマネをしながら)って感じで(笑)。

愛加:うふふふ(笑)。独特のトーンがありますよね。

一路:そう、すごくね、口ではそう言う風に「何遍も見た、映像の人だ~!」とか面白おかしく言ってますけど、とても自然に接してくれているので良かったなぁって思ってます。原田先生も、他の人からも「紅さんが卒倒しちゃうかも」「会うのを楽しみにしてる」って言われ過ぎてて「そんなに楽しみにされても……どうしよう……」と思ってたんですけど(笑)、本人は「しゃあっす」(紅のモノマネ)って感じできてくれてよかったです。

(左から)愛加あゆ、一路真輝

ーー役として、紅さんが演じるリノはどんなイメージですか?

一路:……私の役とリノはお芝居ではあんまり絡みがないんですよ。

愛加:私は一度だけリノとのシーンがあって、お酒をかけられます(笑)。リノが追いかけているビリーの片思いの相手役なので。

一路:そうだよね、お互いに追いかけ合う。でも、リノも「好きになっちゃった~」って言う割に、その相手の人と1曲デュエットダンスをするだけだったりするじゃない? そういうのが何だかすごく可愛いらしいんですよね。それがある意味で「なんでもあり」なのかなと思っていて、ドロドロした人間関係があんまりない。(紅の真似をして)「あんたのことが好きなんやけど、え、あの子が好きなん? 応援するわ!」みたいな(笑)、大阪のノリに近い。

愛加:そうですね、すごいなぁ……うふふ(笑)。

一路:それがねえ、また、紅さんと合ってて。楽しみです。

ーー宝塚歌劇団という形ではなく、原田先生と組むという印象はいかがですか?

愛加:原田先生とは、先生の2作品目の『ニジンスキー』に出演し、その時は新人公演の長の役目と新人公演のご指導という立場でした。今回10年ぶりにご一緒させていただきます。なんだか……元々、この年代(1930年代頃)がお好きなんだと思うんです。その時代の空気感や風景をとても美しく表現されていて……、また、こうしてご一緒させていただけるのが嬉しいです。10年前とは先生から感じる空気も変わっていらして!

一路:うふふ(笑)。

愛加:私も10年勉強させていただいた上で、10年経った先生の御指導をいただけることが、わくわくしています。

一路:私は、原田先生の作品は『For the people —リンカーン 自由を求めた男—』を観ています。もともと轟(悠)さんの作品はよく観に行っていたのですが、その時、非常に圧倒されたんです。うまく表現できないんですけど、女性だけでやっていることを忘れるような──まぁ、イシちゃん(轟の愛称)っていうのもあると思うんですけど!(笑) 原田先生が作られる世界に魅了されたひとりだったんです。実際にポスター撮りだったり、ホン読みだったりでお話しさせていただくと、原田先生も関西の方なので紅さんみたいに「ファンやった~!」みたいなことを言ってくださるんですけど(笑)、いざお稽古になると切り替わってバンッバンッバンッって言ってくださることが、すごく頼もしいと思いました。

一路真輝

ーー今回は記者会見はクルーズ船で行われました。作品も豪華客船の上でのお話です。何か思い出等はありますか?

一路:私は、宝塚で現役の時に『ボン・ボヤージュ』というクルーズショーを、香寿(たつき)さんと和央(ようか)さんたちと一緒にやったんです。神戸から出て、沖で停まった船内でショーをするというもので……会場は記者会見で使ったようなホールでした。碇をおろしていてもすごく揺れて、忘れもしないです、「グラナダ」を歌ってポーズをとった時に、私だけふらついちゃって。「船の揺れにしないように」ってみんなに言われました(笑)。

愛加:いえ、船のせいです。それは揺れのせいです……!

一路:いじられトップだったのよ(笑)、だってほかのふたりは止まってるんだもん、私だけ真ん中でゆらゆらしちゃった。そんなことを思い出しました。

愛加:ふふ。私は今日がはじめてでした、クルーズ船。

一路:じゃあ、すごく新鮮だよね。

愛加:はい! まず、外から見て「こんな大きな船!? え!? エレベーターついてるの!?」って段階なので、すごく楽しませていただきました。

一路:あら、それはよかったですわ、ここでやらせていただいた甲斐がありましたわ、──って私がやったわけじゃないけど(笑)。

愛加:ありがとうございます(笑)。

愛加あゆ

一路:よかったわぁ、船長に話付けておいたのよ。──というわけで、本作ではこんなおかあちゃんの役です。

ーー最後に、SPICEをご覧のみなさまにメッセージをお願いいたします。

一路:最近、あるようでないような「古き良き」色んなものが詰まったミュージカルが『エニシング・ゴーズ』だと思っているので、色んなことを忘れて、色んなことを吸収して、楽しんでいただけたらなと。とにかく、良きところが集まっています!

愛加:前ほど、気軽に来ていただけない中、劇場に足を運んでいただくみなさまに、「楽しかったな」って思っていただけるように頑張らなきゃなって思っています。

一路:そのためにも演者・関係者の全員が感染予防に気をつけて、無事に幕を開け、無事に幕を下ろすまで頑張っていきたいと思います。

取材・文=森 きいこ  撮影=荒川 潤

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