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悪いものばかりじゃない?脂肪は脂肪でも『不飽和脂肪酸』ってどんなもの?

オリーブオイルをひとまわし

悪いものばかりじゃない?脂肪は脂肪でも『不飽和脂肪酸』ってどんなもの?

不飽和脂肪酸の種類やその効果について解説する。血液をサラサラにしたり、体内のコレステロールを下げたりする働きがあるといわれる不飽和脂肪酸。何となく身体にいいものとは聞いたことがあっても、詳しくは知らないという人も多いのではないだろうか。この記事では、不飽和脂肪酸を多く含む食品や効果的な取り入れ方などを紹介していく。健康な身体作りをしたい人はぜひ参考にしてほしい。

1. 不飽和脂肪酸とは?飽和脂肪酸との違いもわかりやすく説明!

動植物に含まれる三大栄養素の中で最も高いエネルギーを得られる「脂質」。生きていくうえで私たちの身体に欠かせないものだ。脂質を構成する大切な要素が脂肪酸で、分子の構造の違いから、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。2つの脂肪酸の簡単な見分け方や、どんな食品に含まれるかを解説しよう。

不飽和脂肪酸は植物油や魚の脂の成分

脂質を構成する脂肪酸のうちの1つである不飽和脂肪酸。マグロ、イワシ、サンマといった魚の脂や、オリーブ油、キャノーラ油、大豆油などの植物油に多く含まれており(※1)、生命の維持に必要なリノール酸やαリノレン酸などがある。体内で作ることができないため「必須脂肪酸」と呼ばれており、食事から摂らなければならない。不飽和脂肪酸は魚介類のほかに、ナッツ類や豆類にも多く含まれている。(※1)動脈硬化や血栓症を防ぐほか、血圧を下げたり悪玉コレステロールを減らしたりといった身体によい働きがあるといわれている。(※2)健康的な食生活を送るために脂質の種類にも気を配ろう。

不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の違い

もう1つの脂肪酸である飽和脂肪酸はバターなどの乳製品や肉、ラードなどの動物性食品に多く含まれている。(※3)飽和脂肪酸は体内で作ることができるため、食事から多くを摂る必要はない。摂りすぎた場合、コレステロールや中性脂肪が増え、脂質異常症や動脈硬化をおこすおそれがあるので気をつけよう。(※3)不飽和脂肪酸との簡単な見分け方としては、不飽和脂肪酸はサラサラの液状であるのに対し、飽和脂肪酸は常温で固まるものが多い。牛肉の脂身を食べたときの口溶けの具合によっても、飽和脂肪酸が多いか不飽和脂肪酸が多いかの違いを感じることができるだろう。

不飽和脂肪酸のトランス脂肪酸とは

不和脂肪酸にはシス型とトランス型と呼ばれる分子の結びつきの違いがあり、トランス型になっている脂肪酸のことをトランス脂肪酸という。トランス脂肪酸は食品から摂る必要がないとされており、摂りすぎた場合、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を進行させ、心臓病のリスクが高まるといわれている。(※4)脂質を摂る量が多い欧米人を対象とした研究でわかったもので、日本人にも同じ影響があるかは明らかではないが、生活習慣病予防のためにも摂取のしすぎには注意しよう。(※5)また、マーガリンやショートニングを含む菓子の、トランス脂肪酸の身体への悪影響が取り上げられることがあるが、現在は加工技術の改良によってトランス脂肪酸の含有量ははるかに少なくなっている。(※4)適量を摂る分には身体への心配はないだろう。

2. 不飽和脂肪酸の種類と効果

不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸と呼ばれるものがある。多価不飽和脂肪酸はさらにn-3系とn-6系に分けられ、悪玉コレステロールを減らす働きがより強いといわれる。(※3)それぞれの成分の特徴や効果を解説していこう。

一価不飽和脂肪酸:オレイン酸

悪玉コレステロールを減らすといわれており、がんや生活習慣病などを予防する効果が期待できる。(※6)多く含まれる食品はマカダミアナッツやヘーゼルナッツ、オリーブオイルやひまわり油などだ。(※3)

n-3系不飽和脂肪酸:αリノレン酸

体内で作ることができない必須脂肪酸。n-3系に属し、高血圧やがん、心臓血管系疾患を予防する効果が期待できるといわれている。(※3)多く含まれる食品はアマニ油やシソ油、くるみなどだ。(※3)

n-3系不飽和脂肪酸:DHA

必須脂肪酸のn-3系に属し、脂質異常症や高血圧の予防、脳の働きを正常に保つ効果があるといわれている。(※3)多く含まれる食品はアンコウの肝やクジラ、マグロの脂身やウナギ、サバなどだ。(※3)

n-3系不飽和脂肪酸:EPA

必須脂肪酸のn-3系に属し、悪玉コレステロールを減らし、血栓症や動脈硬化、脂質異常症を予防する効果が期待できる。(※3)多く含まれる食品はアンコウの肝やクジラやサバ、ウナギやサケなどだ。(※3)

n-6系不飽和脂肪酸:リノール酸

必須脂肪酸で、身体の組織を正常に機能させるうえで欠かせない成分。血中コレステロールを上げにくいといわれている。(※7)多く含まれる食品はグレープシードオイルやコーン油、大豆油などだ。(※7)

n-6系不飽和脂肪酸:γリノレン酸

血圧や悪玉コレステロール、血糖値を低下させる効果や健康な皮膚の機能に役立つ効果が期待できる。(※8)多く含まれる食品はカシス種子油や月見草油などだ。(※8)

n-6系不飽和脂肪酸:アラキドン酸

乳児の脳や身体の発達に必要不可欠な成分であり、免疫機能を調整する効果やコレステロール値を下げる効果があるといわれている。(※9)多く含まれる食品はレバーや卵、肉類や魚介類だ。(※9)

3. 不飽和脂肪酸を多く含む食品ランキング

不飽和脂肪酸食品一覧から不飽和脂肪酸をとくに多く含む食品をランキング形式で紹介する。人の体内で作り出すことができ、酸化しづらい性質である一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を多く含む食品と、食品から摂取する必要のある多価不飽和脂肪酸、それぞれのランキングを食材の大まかな種別に紹介するので、食材選びの参考にしてほしい。

一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を多く含む食品ランキング

食品100g当たりの一価不飽和脂肪酸の含有量(※10)オリーブオイル 74.04g
サフラワー油(紅花油)73.24g
菜種油 60.09g
フォアグラ 27.44g
牛肉(尾) 27.24g
牛肉(ばら・和牛)26.89g
アンコウの肝 18.44g
サンマ(生) 10.44g
本マグロの脂身10.20g

多価不飽和脂肪酸を多く含む食品ランキング

食品100g当たりの多価不飽和脂肪酸の含有量(※11)コーン油 51.58g
ラー油 43.15g
ごま油 41.19g
鶏肉(皮)6.54g
あいがも 5.66g
サラミ  4.59g
イワシ(油漬)13.96g
ツナ缶(油漬)12.16g
アンコウの肝 8.47g

4. 不飽和脂肪酸の覚え方

不飽和脂肪酸を語呂合わせで覚える方法を紹介する。どの脂肪酸がどの分類になるか覚えられるもので、薬剤師や栄養士などの資格取得のための勉強法として知られている。チェックしてみよう。

n-3系不飽和脂肪酸の覚え方

「兄さんどこへ歩く」兄さん: n-3系不飽和脂肪酸どこ:ドコサヘキサエン酸(DHA)へ:エイコサペンタエン酸(EPA)歩: αリノレン酸く

n-6系不飽和脂肪酸の覚え方

「アリがんばろう」ア:アラキドン酸リ:リノール酸がんば:γリノレン酸ろう: n-6系不飽和脂肪酸

5. 不飽和脂肪酸は酸化しやすいので注意しよう

不飽和脂肪酸を効果的にとり入れるためには、料理に使う油をオリーブオイルなどの植物油にするのがおすすめだ。しかし、光や空気に触れたり高温になったりすると色が濃くなったり、においが出てきたりという変化が生じる。これを酸化といい、料理の風味を損なうだけでなく、多く摂取すると健康を損なう場合があるので注意しよう。ここでは酸化しやすい油の種類や、酸化させない使用方法なども紹介するので参考にしてほしい。

不飽和脂肪酸を含む油が酸化しやすい理由

不飽和脂肪酸は炭素同士が1本ずつつながっている部分と2本ずつつながっている部分があり、2本ずつの部分のことを二重結合という。二重結合の部分に酸素が触れて結びつくことを酸化といい、多価不飽和脂肪酸は2つ以上の二重結合を持つため酸化されやすいというわけだ。そのため多価不飽和脂肪酸を含む油は劣化しやすいという特徴がある。

とくに酸化しやすい油の種類

先ほど述べたように、二重結合を複数持つ多価不飽和脂肪酸の油が酸化しやすく、サラダ油、ごま油、大豆油、エゴマ油、アマニ油、コーン油、ヒマワリ油などがこれにあたる。後述の酸化させない使用方法を参考にして使用しよう。

酸化させない使用方法

植物油の酸化を防ぐためには、保管する際に直射日光や蛍光灯の光を避ける、高温になる場所に置かない、キャップをしっかり閉めて空気に触れさせないことを心がけよう。揚げ油を何度も再利用するのも避けたほうがいい。また、酸化させない調理法として「コールドスタート」というものがある。加熱していない鍋やフライパンに油を注いでから火をつける方法だ。料理をする際に実践してみよう。

加熱調理におすすめの油

酸化されにくいといわれるオリーブオイル、米油、菜種油(キャノーラ油)などがおすすめだ。二重結合を1つ持ち、酸化しにくい一価不飽和脂肪酸の油のため加熱調理に向いている。できるだけ料理の風味に合った油を使いたいものだが、酸化した油を避けて効果的に不飽和脂肪酸をとり入れたい場合は上記の油を選ぶといいだろう。

結論

悪玉コレステロールを減らす力を持つ不飽和脂肪酸について解説した。魚や植物油などに多く含まれる不飽和脂肪酸。身体によいとされるが、病気のリスクを高めるトランス脂肪酸の摂りすぎには注意しよう。脂質全体の摂取量を適切な量にしたうえで、効果的にとり入れ健康な身体作りに役立ててほしい。(参考文献)※1:株式会社創新社https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2019/008541.php※2株式会社ロッテhttps://www.lotte.co.jp/medipalette/2359/※3株式会社山田養蜂場https://www.bee-lab.jp/megumi/dha-epa/index.html※4駒沢女子大学https://www.komajo.ac.jp/uni/window/healthy/he_column_20003.html※5農林水産省https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/※6エバラ食品工業株式会社https://www.ebarafoods.com/sp/meat/health/c06.html#:~:text=%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82※7日清オイリオグループ株式会社https://www.nisshin-oillio.com/oil/healthy/linoleic.html※8株式会社わかさ生活https://himitsu.wakasa.jp/contents/g-linolenic-acid/※9株式会社わかさ生活https://himitsu.wakasa.jp/contents/arachidonic-acid/※10株式会社栄養計算.comhttps://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/fatty_acid_mo.html※11株式会社栄養計算.comhttps://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/fatty_acid_po.html

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部
監修者:管理栄養士 児玉智絢

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