深刻な人手不足にJR東・西が手を組む 電気設備のスマートメンテナンスや工事業務の機械化・DXで連携
我が国の生産年齢人口(15~64歳)は2050年には約40%減少する見込み――今でさえ人手不足で苦しんでいる鉄道業界が、今後も鉄道事業を続けていくにはどうすれば良いのでしょうか。
JR東日本とJR西日本は18日、電機部門で相互に連携して課題解決に取り組むことを発表しました。
鉄道業界全体の課題は個別に取り組むより連携した方が効率的かつ効果的です。両社とも事業エリアが広く、共通する課題も多いため、連携によるスケールメリットを活かした開発のスピードアップ・コスト削減が期待できます。
両社は2025年2月に覚書を締結しており、「電気設備のスマートメンテナンス」「工事業務の機械化・DX」などの分野で包括的に連携・協力してスピーディーに対応していくとしています。
主な連携内容
◆電気設備のスマートメンテナンス
・ドローンを活用した設備管理業務の省力化
・センサや生成AIなどを活用したCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)によるメンテナンス業務の効率化
◆工事業務の機械化・DX
・機械、ロボットを活用した施工の省力化
・点群データおよびデジタルツインなどを活用した工事業務の効率化
これまでの開発実績としては、JR東日本の架線設備モニタリングや信号ボンドモニタリング、JR西日本の多機能鉄道重機・ブラケットハンドリング車など個別に開発してきたものが挙げられています。
なお、両社は2024年7月に在来線の車両部品や装置の「共通化」の検討を開始しています(新幹線に関しては北陸新幹線用の車両「E7系・W7系」で共同設計を行った実績があり、自動運転に向けた技術検討も協力して進めることも発表されています)。
【参考】JR東日本・JR西日本、在来線の車両部品や装置の「共通化」検討開始
https://tetsudo-ch.com/12967205.html
(画像はJR東日本・JR西日本のリリースから)