TVアニメ『逃げ上手の若君』第二期:矢野妃菜喜さん×花宮初奈さんが語る雫と魅摩の双六対決|キスで揺さぶる雫に魅摩もタジタジ!?【インタビュー】
2026年7月より放送中のTVアニメ『逃げ上手の若君』第二期も、いよいよクライマックスへ。信濃を離れ、京へ行くことになった北条時行ら逃若党の面々。だが京に着くと、風間玄蕃が、博打で魅摩に大負け、身ぐるみを剥がされてしまう。
その負けを取り戻すべく魅摩と双六対決することになった雫。そこで神力を高めるため時行へキスをしまくり、魅摩を動揺させ、勝利した第二十回を、雫役の矢野妃菜喜さんと魅摩役の花宮初奈さんに振り返ってもらった。
【写真】『逃げ若』第二期:雫×魅摩の双六対決を矢野妃菜喜×花宮初奈が振り返る!
『逃げ若』のアフレコの雰囲気は、戦のようなテンション!?
──雫について、第一期を演じてみて、どんな子だと思いましたか?
雫役 矢野妃菜喜さん(以下、矢野):雫は逃若党の執事で、家事も戦術も、何でもできるんですよね。でも、突然変なことを言い出すのがかわいい子だなと思っています。ただ今回は、魅摩と出会って、違う一面を見せたというか……。ある種、女の戦いではあったので、ミステリアスな感じではない、強い雫が見られたんです。だから、実はグイグイ系なんだなというのを、ここで初めて知りました。
──第一期からの流れで言うと、諏訪頼重(CV.中村悠一)の扱いが慣れているというか、いつもキツイことも言っているイメージはありました。
矢野:頼重にだけは、強いツッコミを入れています(笑)。
──あとはミステリアスと言いましたが、神秘的なイメージもありましたね。
矢野:そうですね。神力を使うところはあります。
──魅摩はいかがですか?
魅摩役 花宮初奈さん(以下、花宮):原作漫画で初めて魅摩ちゃんを見たときは、元気で、すごく高圧的で、グイグイくる感じの、まさに陽のギャル!といった印象を受けました。恋愛面ではうぶなところはギャップですよね。
それと、佐々木道誉の娘なので、見ている限り、周りに同じような年頃のお友達はいないのかもしれない。大人がいる環境が当たり前で育ってきた分、洞察力・分析力があって、大人を相手にしてもちゃんとしゃべれる術もある、精神年齢が高い子なんだろうなと思いました。
──役は、オーディションだったのですか?
花宮:テープオーディションでした。最初は標準語でお芝居をしようと思っていたのですが、テープオーディションを録っていただく際にマネージャーさんと相談して、関西弁を取り入れようということになりました。舞台が京都で、自分も関西出身なので、自分だったらできる表現をアピールすることにも繋がるんじゃないかって。関西出身者あるあるかもしれませんが、標準語をしゃべる際に、一度頭の中で言語の変換を行っていて一瞬処理に時間がかかることがあるので、関西弁のほうが、その処理がないため、自然な感情表現をすることができるんです。
そこに加えて悪役っぽさを意識しました。戦いが絡むので、味方ではないような雰囲気をどうやって出せばいいのかなと思いながらお芝居をした記憶があります。
──大阪出身とのことですが、京都弁は少し違うのですか?
花宮:少し違いがあると思っています。地元の人が話しているような京都弁は私も話すことができません。なので現場には京都出身の先輩役者さんを呼んでくださっていて。、初めて魅摩ちゃんの収録をしたときは、現場の皆様に監修していただきながら録っていきました。
松井先生が原作漫画6巻の「解説上手の若君」に書いていらっしゃるように、当時、方言が存在したのかどうかはわからないので、原作のセリフは変えないという前提のもと、方言を取り入れられる部分を探しながらキャラクターを作り上げていきました。
──オーディションを関西弁でやるのは珍しいんでしょうか。
花宮:関西弁のお芝居が必要な場合はご指定があると思います。魅摩ちゃんは指定があったわけではないので一か八かでした(笑)。
──でも毎回標準語に変換するのは、大変そうです。
花宮:そうなんです。毎回アクセントを調べて、これで合っているのかな?と、都度確認をしています。
──今、普通に標準語を話している感じがするのですが、それでも?
花宮:敬語だとあまり出ないんですけど、親しい仲になったりすると、ちょっと関西弁が出ちゃうといいますか。矢野さんも関西出身なので、関西出身の方としゃべる時は特に出やすかったりすることはあります。
──ちょっとしたイントネーションの違いもありますからね。矢野さんは、久々の第二期の収録になったと思うのですが、いかがでしたか?
矢野:『逃げ若』の収録って、音響監督の藤田亜紀子さんが始まる前に、「本番は特に楽しんでいきましょう!」と言ってくださるんですよ。それでみんな「よーし行くぞ!」みたいな。戦で気合いを入れるシーンも多いので、そういう雰囲気になるんです。でも、私も頑張るぞー!と思って雫を演じると、何か元気になっちゃうことがあるんですね。
──雫は、ちょっと違いますからね。
矢野:そうなんです。だから私はそれに乗っちゃダメだというのに、第二期でも気づかされたというか(笑)。私は落ち着いてやらないとなと、一歩引きながら冷静に冷静に頑張っています。
──アフレコはテンションが高そうですね。
矢野:高いですね。特にガヤは、おじさま方がすごいです。真剣にふざけている方がたくさんいらっしゃるので、楽しそうだなぁと思いながら見ています。
──花宮さんは、そんな現場に圧倒されたりもしましたか?
花宮:はい! 諸先輩方からは常に気迫を感じておりました…!魅摩ちゃんは初登場から、ワード数が多かったので、私がミスをしたら皆さんにご迷惑がかかる……とハラハラしっ放しでした。自分よりキャリアの長い先輩方に見守られながらの収録はとにかく胃が痛くなります…。
──登場シーンでいきなりアフレコ現場に行ったのですか? それとも、見学から入ったのでしょうか。
花宮:実は第十九回を、ご厚意で見学に入らせていただけたんです。でも、見学でもめちゃくちゃ緊張していました(笑)。見学でも皆さんすごくお優しくて、「魅摩、すごく楽しみにしています」とか、いろいろ言ってくださるんです。スタッフの皆さんも「オーディションのとき、面白かったから」と言ってくださって、それもすっごく嬉しかったんですけど、逆に、オーディションより下手になっていると思われたらどうしようと、本番の日のことで頭がいっぱいになっていました(笑)。
──嬉しいけど、それがプレッシャーにもなったんですね。
花宮:はい。しかも皆さん素晴らしいお芝居だったので、ここに入っていけるのかな?という不安が大きかったです。
矢野:私は(花宮さんのことを)別作品で知っていてたのですが、お会いしたことはなかったんですよ。会いたいなとずっと思っていたら、『逃げ若』の香盤表にお名前があったので、「えっ!!」と驚いたし、すごく嬉しくて、ウキウキしながら話しかけに行ったんです。こっちで先に会えるなんて!って。
花宮:声を掛けてくださったことが嬉しくて。でも初めて会うのに、いきなりバトルシーン全開だねって話をしました(笑)。
矢野:頑張ろうねってね(笑)。
──ちなみに、第二十回では、どう緊張を解いていったのですか?
花宮:私の胃はキリキリしていましたが、現場はピリピリしていることもなく、1クール以上やってきているので、みんな和やかな雰囲気だったんです。だから結構自分に集中しながら、いい緊張の中、お芝居ができたという印象はあります。
──何となく現場は、ベテランの男性声優陣と、逃若党の面々で世代が分かれているのかな?と思うのですが、逃若党では、誰がムードメーカーなのですか?
矢野:亜也子役の鈴代紗弓さんか、あとは北条時行役の結川あさきちゃんは、しゃべるときはすっごくしゃべるんですよ。静かな日もあるんですけど(笑)。でも、基本的にはあさきちゃんがしゃべっているイメージがあります。
魅摩と雫の双六勝負、アフレコでの空気は?
──第二期の物語ですと、逃若党が信濃を離れ、京に向かうところが描かれていきますが、第十九回までで印象的なエピソードはありますか?
矢野:やっぱり第十三回で、関東庇番衆が出てきたところは圧巻だったというか。すごくカッコいい人たちが出てきた!と思いきや、ちょっとコメディチックで、そこは印象的でした。あと、始まり方も実写ですごかったですよね。『逃げ若』はいろんな手法で私たちを楽しませてくれるので、その演出に驚きました。
──第十三回は、そういった意味では始まりに相応しい面白さでしたね。帰ってきた感というか。
矢野:はい。あと前半の、鯛が食べたい!も好きです(笑)。めちゃくちゃかわいいですよね! ここって結構コメディじゃないですか。でも、鯛を食べたときの時行の表情とかは、何とも言えない気持ちになりました。アニメオリジナルの要素も足されていて、このシーンを入れてくれてありがとう!と思いました。
──亡き兄・邦時の回想がまた切ないですよね。そして新鮮な鯛を届けるのも昔は大変なんだなと思いました(笑)。
矢野:勉強になりました。確かに!って。貴重だったんですね。
花宮:私が第十九回までで印象に残っている回は現場見学をさせていただいた第十九回です。めちゃくちゃ緊張をしていたんですけど、叔父上様(北条泰家/CV.上田燿司)のお芝居がすごく刺さって(笑)。ウソ泣きでせがんで関所を通してもらうシーンは、絵もお芝居も勢いが凄まじかったです(笑)。そのあとケロッと、どうだ!と切り替えるお芝居も面白くて。それまで本番の日のことで頭がいっぱいでしたが、上田さんのお芝居のおかげで緊張が解けていきました。本当に最高でした。
──嘘をつけない人はいいですよね。
矢野:本当に全部顔に書いてありましたからね。
──嘘がつけなくて本心が全部額に文字として出ているのは面白い演出ですよね。「北条」を「哀れ」で上書きして京へ潜入するのは、確かに面白過ぎました。
花宮:一気に緊張が和らぎました(笑)。
──第二十回の雫と魅摩の双六対決はいかがでしたか?
矢野:魅摩にとっても雫にとっても、かなり見せ場のエピソードだったので気合いを入れて現場に入ったんですけど、雫的には、どこまでキスの音(リップ音)を入れるのかみたいなところを最初に悩んでいたんですよ。テストのときには、入れられるだけ入れようと思って、結構入れたんです。でも『逃げ若』って、絵のお芝居に力を入れてくださることが多いので、最終的には、音ではほぼ入れない方向にしようということになって、台詞のところだけになったんです。
で、魅摩がそもそもキャラクターとしても強く、お芝居も強めだったので、雫はいつもミステリアスで抑えた感じなんですけど、今回は魅摩に負けないよう、かなり強い気持ちでお芝居をさせていただきました。
──ギャンブル勝負なので、相手の揺さぶりに対して、心を乱さないみたいなことは考えていたのですか?
矢野:どうだったかなぁ。相手の声を聞きつつも自分のことに集中していた感じだったので、心を乱されないぞ!という気持ちではやっていなかったかもしれないです。
──魅摩的には、登場から大変でしたけど、演じてみてどうでしたか?
花宮:魅摩ちゃんは初登場シーンから、高圧的で、かかってこい!みたいな感じで、なおかつ賢くて相手を分析しているんですよね。私自身の緊張がお芝居に影響しないようにすることがとても大変でした。
あと、登場一言目が「きゃははは、雑っ魚〜」だったんですよ。個人的に、悠木碧さん(風間玄蕃役)が大好きで、すごく尊敬している先輩なのに、全然思ってもいないことを言わなければいけなかったので印象に残っています。家で何度も、魅摩ちゃんの気持ちになって玄蕃に言葉を投げかける練習をしました。
──玄蕃は、一瞬で身ぐるみ剥がされて借金を背負っていましたからね…。
花宮:玄蕃があの結果になったからこそ、雫との勝負が始まりますからね。魅摩ちゃんは、めっちゃグイグイ攻撃するタイプなんですけど、雫はポーカーフェイスで、冷静に構えているんですよね。矢野さんもそういうタイプに私には見えていて。全然動じてないし、緊張もせず、日常のルーティンくらいの感じでお芝居をされていたので、私も負けないように頑張らなきゃ!って必死でした。
──雫のような落ち着きだったんですね。
花宮:さっきのキスシーンのリップ音の話ですけど、恥ずかしがっているのかな?とお顔をちらっと見てみたら、全然のぜんでやっていました(笑)。
矢野:どうやったらきれいにリップ音が鳴るのかな?しか考えてなかった(笑)。
花宮:尊敬します……! 勝手にお顔を覗き見ちゃってすみません……。
──現場でも魅摩と雫みたいな感じだったのですね。でも、キスで動揺させて、いかさましつつ勝つってすごい戦法ですよね。
矢野:すごかったですね!
──時行に対する気持ちに対してはどうでした?
矢野:ここまで恋心が育っていたんだなと思いました。そういう描写はこれまでもありましたけど、大好きとか言っちゃうくらい、キスしちゃうくらいなんだって。……まぁ、それが戦術のひとつだったのかもしれないけど、そこまで好きなんだなって、改めて認識したシーンでした。
──戦ったあと、京の街を案内しようみたいな感じでしたよね。時行に惹かれる魅摩もかわいいですね。
花宮:そうですよね。一度認めて打ち解けると等身大感が出てきて、年齢相応なところが見えてくるのがかわいいなと思っています。
あとは純粋に楽しそうだなと思いました。同じ年頃の子たちと、こうやってわちゃわちゃ遊ぶことが、今までにない経験だったのかもなと思ったので、微笑ましく台本を読んでいました。でも、それがあと何日続くんだろうか、とも思って切なくもなりましたね……。
──そんな魅摩を演じ終えての気持ちをお聞かせください。
花宮:憧れの“ジャンプ作品”なので、そもそもオーディションに受かるとは思っていなかったんです。だからオーディションに受かったお話をいただいてからずっとハラハラし続けているといいますか、夢見心地という感じだったので、早くオンエアを観て実感したいです。まだ“自分が魅摩ちゃんでいいのかな?”と思いながら生きているので、早くオンエアを観て安心したいんです。
──このインタビュー時点では、キャストすら発表されていないですからね。
花宮:どうしよう、放送で違う人になっていたら……。そんなふうに、ずっとドキドキしています。
──となると、まだ実感できるまでではないですね(笑)。では最後に矢野さんへ。今後の見どころを教えてください。
矢野:ここから結構シリアスな内容になっていくんです。アフレコの映像をチェックしていて、すごく怖かったシーンがあったので、ホラー注意です! 本当にびっくりしちゃうくらい怖かったので。
あとは個人的には楠木正成さんが好きなんです。めちゃめちゃカッコいいんですよ! 説得力があるというか。出てくるたびに、何だこのいい男は!と思っていたし、このあともめちゃめちゃカッコ良いので、楽しみにしていてください。
[文・塚越淳一]