集まって話したいこと、ジェンダーについて。
あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回も、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人がこたえました。
義理の母と「二世帯風同居」しています。夫に庭の高い場所の枝を切ってもらっていたら、義母に「庭仕事は女の仕事!」と言われました。 介護に関しても「娘に介護なんてさせられないわよ~。私の介護はあなたがするのよ~。」と笑いながら言われました。私の知り合いでも、義理の親の介護中に「娘にはこんなこと、絶対にさせられない」と言われた人がいます。ちなみに、私の両親は「心細いから、夫と別居して面倒見て!」と言ってきます。なぜ、私だけ、こんなに高齢者に拘束されるんでしょうか。「嫁が、娘が、やって当たり前」なのは、やはり女性だからですか?
小泉:ちょっとびっくりした。
上村:私も「庭仕事は女の仕事」ってはじめて聞きました。
小泉:これはお姑さんとお嫁さんの中での話だけど、そこにはもっと参加者がいるはずで、みんなで話ができたらいいだろうになって思います。2人の問題じゃない、っていうのを言いたいかな。
上村:みんなで集まって話し合うのが一番な気がします。それぞれの会話だけだと他の人も聞いていないですし、実の娘さんだって介護したいと思っているかもしれないし。
小泉:うちは姉と2人で交代にしてたけど、自然と私たちの姪や叔母が来てくれて、参加してくれて、すごい温かいムードだったんですよね。母が亡くなった時も、私と姉は「樹木葬とか、いいかもね」って2人では話してたんですけど、それを叔父や叔母に相談したら「それだと寂しい」って言ってくれて。母の弟のお墓に入れるって言ってくれて。だから負担をかけないように法事とかは私たちが責任を持つから、ってお願いして。私たちは迷惑かけないように姉と選択しようとしたら「そんなの嫌だ、かわいそう」ってなったのがすごく嬉しかったから。みんなで話すと全然違う結論が出たりするかもしれませんよね。
上村:「嫁が、娘が、やって当たり前なのは女性だからですか?」ともありますが、みんなでやるってなっても女性に負荷がかかってくるんですかね?
小泉:でも、得意かも。女性の方が人が生きること、具合が悪いとか、そういう現実をパッと捉えられる能力があるかもしれないよね。女性って子どもを産んで、育てる、っていうことが身についていたりするから、上手かも。上手だから、頼られちゃうのかもしれない。
私は子どもがいないですけど、もし介護される側になった時「娘には絶対にこんなことさせられない」って思うのかな。
大石:思うと思います。だって僕、嫌だもん。自分の子どもに自分の介護してもらうの。
小泉:なんで嫌なんですか?
大石:なんでだろうな。やっぱり迷惑かけたくない。
小泉:他の人だったらいいの?
大石:他の人…
小泉:っていう発想になってるんだよね。プロの人だったらいいのか、そうするとお金がかかるとか。
でもね、きっと色々なことを勉強しておいた方がいいですよね。知っていると受けられる補助とかがあるじゃないですか。うちは姉がヘルパーの仕事をしていて詳しかったから助かったんです。ちょっと、多少は、関わらなきゃいけないと思うから、備えは必要かもしれないですけどね。
上村:「おっさんずラブ-リターンズ-」で「義理の息子に尻は拭かせられない!」って言っていたシーンがあったんですよ。それなら自分の実の息子がいいって。
小泉:そういう人もいるし。
上村:そうなんですよね。人によってそれぞれ。
小泉:関係性によるんですかね。まあ、「女性だから」っていうのはすごく根付いちゃってる感覚としては色々な場面であるかもしれないよね。
「ジェンダーに関する、女子中高生の意識調査」「ジェンダーの不平等を感じる理由」には男女差が
お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。
小泉:これ、男子にも聞いてみたいところですね。きっと、男子でも同じような結果が出る項目があるような気はしました。「女の子だからという理由で何かをやらされたことがある」というのも「男の子だから」っていうこともあるかもしれないなと思ったり。
上村:「アンコンシャス・バイアス」という言葉をご紹介します。日本語では「無意識の偏ったモノの見方」という意味です。男女の間では「女の子は優しく、男の子は強くあるべき」といった価値観が無意識に、当たり前のようになっているのではないでしょうか。一般社団法人「HAPPY WOMAN実行委員会」が行った調査では「ジェンダーの不平等を感じる理由」には男性と女性で認識が違う、という結果が出ています。それぞれの1位、女性は「家庭における家事負担割合に差を感じる」ですが、男性は「女性らしさ、男性らしさを求められること」となっています。
小泉:例えば恋人とか夫婦とか、本人たちがいいと思っていてもそれを見る人たちの中に「無意識の偏ったモノの見方」を感じて大変な気がしてくる、ってことってありそうじゃないですか?
上村:よくインターネットで「女性が奢ってもらうか、半分出すか」っていう論争を見ると「それぞれでいいじゃん」って思っちゃうんですよね。
小泉:普通に友達とご飯に行って、お酒飲まなかったら「きょんちゃんお酒飲んでないから〇〇円でいいよ」みたいな話になるじゃないですか。そういう感じでいいのにね。「今日はどうする?」って考えたらいいのに。決まり事じゃないもんね。
上村:そういうので男性も苦しんでいることがあるんだろうなって。
小泉:都合のいい時に「男のくせに/女のくせに」って言われちゃうかもしれないなって。周りの人がその状況を見た時にどういうことを言うかみたいなことって嫌だな、って思ってます。
大石:個別のケースですからね。
小泉:そう。「偏ったモノの見方」の中に入れられちゃうのが一番苦しいかも。みんなどう感じてるんだろう。
『あの子は貴族』っていう映画を観たの。フェミニズムっていうものの捉え方、描き方がすごく素敵だったんですね。フェミニズムって女だけの話じゃなくて、ちょうど真ん中にあるじゃないですか。だから両側から歩み寄って、真ん中にいることが1番のフェミニズムなんじゃないかって。女性は社会の中で辛い思いをしてきたっていう歴史があるから、膿を出すのにも時間がかかるだろうし、社会もゆっくりしか進めないかもしれないけど、それが見えてきた今だからこそ、男性側のことも知りたいなって思ったりします。