困っている人の力に!大船渡林野火災の被災者支援へ かまいし絆会議の小中学生が募金
大規模林野火災で被害に遭った大船渡市の被災者支援に役立ててもらおうと、釜石市の14小中学校(9小学校、5中学校)でつくる「かまいし絆会議」は昨年度末に各校で募金活動を展開。児童生徒約1700人、保護者らから41万2376円が集まった。日本赤十字社(日赤)を通じて現地に送ることにし、21日に代表者2人が日赤岩手県支部釜石市地区長を務める小野共市長を訪ね、寄せられた善意を託した。
市役所を訪れたのは、絆会議会長の白野真心(まみ)さんと副会長の岡本あいるさん(ともに釜石中3年)。2人は「今、被災している人たちに何かできることはないかと考えた。少しでも生活の足しになれば。よろしくお願いします」と、活動で使った募金箱を目録代わりに小野市長に手渡した。
小野市長は大船渡の林野火災の状況に触れ、「2月26日に発生し、4月7日に鎮火宣言が出るまで、41日間にわたる長い消火活動があった。3300ヘクタールを超える面積が焼失する、本当に大規模な火災だった。皆さんと同じ年代の小学生、中学生も被災されたと聞く」などと説明。「困っている人たちがいたら助けたいという、絆会議の皆さんのあたたかい気持ちが本当にうれしい。受け取った思いをしっかり届ける」と述べた。
今回の活動は釜石中が発案し、各校が呼びかけに応えた。釜中では生徒会執行部が中心となり、3月7日から9日に校内で展開。9日が卒業式だったこともあり、卒業生の家族らも気持ちを寄せた。他校も同様に年度末だったことから、短期間で実施。同席した釜中の藤原幹伍教諭(生徒会執行部担当)が経緯を説明し、最終的な集計金額を数日前に聞いて白野さんや岡本さんと感激を共有したことも加えた。
釜中では募金のほか、鵜住居町の市民体育館が緊急消防援助隊の宿営地となった際に消火活動に尽力する隊員らへの感謝と激励を込め寄せ書きを記した横断幕を製作し、贈る活動も行った。絆会議の会長、副会長を務める2人は学校でもそれぞれ生徒会長、副会長として仲間を引っ張った。
岡本さんは「小学校、中学校のみんなで集めた募金が被災した人たちのために使われて、一日でも早く元の生活、笑顔あふれる日常に戻ってほしい」と願った。白野さんは「私たちは東日本大震災の年に生まれた。さまざま支援をしてもらったので、今、困っている人たちに返せることはないかと思った。何もない方がいいけど、これからも何かあったら自分たちにできることを少しでもやっていきたい」と背筋を伸ばした。
絆会議ではこれまでに「トルコ・シリア地震救援金」「令和5年7月7日からの大雨災害義援金(秋田県)」「令和6年能登半島地震災害義援金」としても募金活動を展開し、寄付している。