【漁港の有効利用を】新川漁港活性化協議会が設立 漁業と地域の活性化目指す(新潟市西区)
内野まちづくりセンターで開催された設立総会の様子
新潟市は8月1日、新川漁港(新潟市西区)の活性化や有効活用を図るための「新川漁港活性化協議会」を設立した。今後、先進地の視察やイベント開催による実証活動などを経て、2027年度以降の本格始動を目指す。
新潟市では松浜漁港、新川漁港、巻漁港の3か所を管理しているが、高齢化と人手不足が深刻化し、それに伴い水産物の水揚量・金額も減少しているのが現状だ。一方で、新川漁港とその周辺では、イベント「新川漁港大漁祭」の開催や、「未利用魚バーガー」の販売など漁協、民間団体などから取り組みが生まれはじめている。
こうした状況から新潟市では今年度、「漁港を核とした水産業及び地域活性化事業」を開始。今年度の重点事業の一つにも据える。漁港を市民に開かれた場へ変えるとともに「人の流れと水産資源を活かした経済効果を生み出すため、漁港と地元の商店街の連携を後押しする」という。
8月1日、新川漁港活性化協議会の設立総会が内野まちづくりセンター(新潟市西区)で開催。設立に伴う規約・規程の確認や役員の選任ほか、地元で活動する団体による水産物の活用などの取り組み紹介が行われた。
協議会では今後、先進地の視察などを行いつつ、漁港を活用したり地元水産物を食べたりできる新しいイベントを試験的に実施。将来構想を作成していく。2027年度以降、作成した構想を元にした事業を本格始動することを目指す。
協議会の会長に就任した新潟漁業協同組合五十嵐浜支所の若杉玉二支部長は「高齢化や漁獲高の減少などにより、漁で生計を立てるのは難しくなっている」と話す。そして「新川漁港大漁祭を始めたきっかけは、漁港を地域に知ってもらいたいと思ったことや、子どもたちの魚離れを止めたいと思ったこと。(今後の取組でも)地域の皆さんに有効利用してもらえる漁港にしていきたい」と語った。