"レベル4危険警報"あなたはどう行動する?"新たな防災気象情報"のポイント
ゲストは、気象予報士の増田雅昭さん。
先日の台風、各地で被害が出ましたが、新たな防災気象情報が初めて発表されました。都内にも出された「危険警報」など、初めて聞いた方もいたのでは?5月28日に運用開始だったので、すぐにこれが使われることになりました。
気象予報士のみなさんも初めてで大変だった?
警報などの名前が間違っていないか、頭の中で確かめながら喋っていました。
まだ浸透しきってない中で、どう伝えるかも課題でしたね。
今回は、人的被害はほとんどありませんでしたが、雨の季節はこれからが本番。今年は大雨が多くなる可能性が高いので、あらためて確認しましょう。この夏はエルニーニョ現象が発生する見通しで、それによって高気圧が弱まる時期があり、台風や梅雨前線の雨雲が近づきやすくなるタイミングがありそうなんです。
レベル4危険警報は避難!まずはこれを覚えておきましょう!
ここ10年だけでも、いろいろ気象情報が変わってきたが・・・全部把握しきれないよーという方もいらっしゃるのでは?今回は警報などの前に「レベル」を付けるようになったのがポイントです。
レベルは5段階で、レベル5が一番危険です。具体的に…
■「レベル5 特別警報」
■「レベル4危険警報」
■「レベル3警報」
■「レベル2注意報」
■「レベル1早期注意情報」
それぞれレベルの数字と警報がセットになります。 「大雨警報」とはもう言いません。「レベル3大雨警報」が正式名称です。
なぜ、そのように変わったのでしょうか?
目指すところは、数字でイメージを持ってもらうこと。「特別警報」と「危険警報」、どっちが危ないかお答えください、と聞かれても、自信を持って答えられる人は多くないと思うんです。レベルの数字を付けることにより、直感的に危険さが分かるようになってもらいたいというのが狙いです。
地震の震度ってどうですか?「5で大きい!」などイメージをもっているかと思います。実は、だいぶ昔は、地震って「震度○」と言ってなかったんです。「微震」「弱震」などと言っていました。直感的に「あれ?どちらが強いんだ?」となりそうですよね。漢字だけで表現していたところから、漢字と数字が一緒になって「震度1 微震」「震度3 弱震」などと表現する時代があり、さらに、それが今のように数字の震度だけになりました。天気も同じく、レベル3、レベル4でどれくらい危なくて、どう行動すれば良いか、分かるようにしていきたいというわけです。
具体的に、レベルによってどのように違いがあるんですか?
■一番危ないレベル5は、手遅れの状態。と考えたほうが良いです。発表されるときは、すでに災害が起こっているか、もう近くで大きな災害が起こっていてもおかしくない状況。なので、レベル4までに避難を完了させないといけません。
■色々と覚えられない!という人は、ひとつだけ覚えるとしたら「レベル4までに避難」。これだけは、今日の話で覚えておいてほしいです。
■ただ、大都市に発表された場合に、何十万人とか何百万人が全員避難するの?と思う人もいますが、そうではないんです。「危ない場所から」避難してください、ということです。例えば、頑丈なビルの高い所にいれば、川の氾濫に対しては安全。土砂災害も山や崖から、大きく離れていれば大丈夫ですよね。当然、お住まいや仕事の場所、生活する場所によって、一人一人状況が違います。つまり、最後は一人一人で判断してくださいよ、という意味です。防災情報は昔よりかなり充実してきています。これから先、災害による被害を今より減らそうと思ったら、一人一人が
自分の所の情報を得て判断しないと、なかなか被災者ゼロには近づきません。
■高齢者など時間がかかる人は、「レベル3 警報」が避難の目安になります。
「自動的に」行動することも大事
災害から身を守るには、レベルによって「自動的に」行動することも大事です。人は災害が間近に迫っていても動けないものです。災害後のインタビューなどで、「危ないかな?」と思ったけど避難できなかった、という話はよく聞きます。「私が住んでいるところは大丈夫だろう」と思ってしまう「正常性バイアス」が避難の邪魔をします。
それを打ち破るために、防災情報のレベルによって、「ウチは川が近いからレベル4が出たら、どんな状況でもまず避難」などと決めておき、自動的に動くようにするのが良いと思います。そのためには当然、自分の住んでいる場所にどういうリスクがあるかを調べておくことも大事になってきます。
レベルがつくのは4つの災害!
では、どんな災害のときに、この情報が出るのか。日本にはさまざまな自然災害がありますが、すべての災害にレベルが付くわけではありません。レベルが付くのが、大雨、土砂災害、河川氾濫、高潮。この4つです。
(長年使われた「洪水」という表記はされなくなったので、「洪水注意報」や「洪水警報」はもう発表されません。避難マニュアルなどに入っている場合は、更新をお願いします)
風、高波、雪などにはレベルは付けません。住んでいる場所からすぐに避難しないと命に関わるおそれがある雨による災害3つと高潮の計4つの現象に、レベルが付くようになっています。
発表のされ方は、この4つの現象名とレベルの数字と注意報・警報名の種類が合わさって、「レベル4+○○+危険警報」などと出ます。例えば「レベル4土砂災害危険警報」といった言い方ですね。
そして、それらの情報が出たときに、自分の所の危険度を地図上でピンポイントに確認できるのが、いつもお伝えしている「キキクル」です。ここ数年、ニュースになるような雨の災害が起こった時、キキクルの情報は、事前に危険度をちゃんと知らせてくれています。雨の季節を前に、普段から見て慣れることが大事ですよ。
色々とお話しましたが、ひとつだけ覚えるとしたら「レベル4までに危険な場所から避難」。これだけは、今日の話で覚えておいてほしいです。
【増田雅昭】
1977年・滋賀県生まれ。
大学在学中に気象予報士試験に合格すると、テレビ朝日の報道番組に学生予報士として出演。
卒業後も予報士として活動を続ける中で、“天気の面白さ”に気づき、「どうすれば天気に興味をもってもらえるか」を日夜考え続ける、天気が好きすぎる気象予報士です。
現在は、TBS朝の「THE TIME」のお天気コーナーでもおなじみです。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)