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キヤノン「EOS R シリーズ」初のAPS-Cミラーレス「EOS R7/R10」ファーストインプレッション

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キヤノン「EOS R シリーズ」初のAPS-Cミラーレス「EOS R7/R10」ファーストインプレッション

キヤノンは2022年5月24日、ミラーレスカメラ「EOS Rシリーズ」としては初となるAPS-Cサイズの撮像素子を採用する「EOS R7」「EOS R10」を発表した。いずれもキヤノンのラインアップの中ではミドルクラスに位置するモデル。フルサイズミラーレス「EOS R3」のAF性能を継承するなど、かなり高性能なカメラとなっている。メディア向けの新製品体験会で開発中のベータ機に触れることができたので、基本的な特徴の紹介とともに、操作感のファーストインプレッションをお届けしよう。

左が上位モデルの「EOS R7」、右が下位モデルの「EOS R10」。カメラボディとあわせてAPS-Cミラーレス用の「RF-Sレンズ」も発表になった

新時代の“7”として誕生したハイエンドモデル「EOS R7」

「EOS R7」にキットレンズ「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」を装着したイメージ。35mm判換算で焦点距離29~240mm相当の画角をカバーするコンパクトなズームレンズだ

「EOS R7」の主な特徴
・撮像素子:最大約3250万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー(約22.3×14.8mm)
・映像エンジン:DIGIC X
・感度(静止画撮影時):ISO100~32000(拡張でIOS51200相当)
・AFシステム:最大で横約100%×縦約100%カバーの「デュアルピクセルCMOS AF II」
・低輝度合焦限界EV-5、F22光束対応
・「人物」「動物優先」「乗り物優先」対応の被写体検出機能
・連写:メカシャッター時最高約15コマ/秒、電子シャッター時で最高約30コマ/秒
・電子シャッターでのRAW連続撮影機能「RAWバーストモード」
・フォーカスブラケット/カメラ内深度合成に対応
・シャッタースピード:メカシャッター/電子先幕で最高1/8000秒、電子シャッターで最高1/16000秒
・同調速度:メカシャッターで1/250秒、電子先幕で1/320秒
・ボディ内手ブレ補正:5軸対応、補正効果最大8.0段分(レンズ側との協調制御時)
・ボディ内手ブレ補正を活用した自動水平機能(静止画/動画撮影に対応)
・HDR PQ撮影に対応
・「パノラマショット」「流し撮り」などのスペシャルシーンモード
・動画撮影:4K UHD Fine/30p、4K UHD/60p、4K UHDクロップ/60p、フルHD/120p記録などに対応
・HDR PQ動画(10bit)、Canon Log 3(10bit)に対応
・動画電子ISに対応
・最大6時間の動画連続撮影
・マルチコントローラーと一体化したサブ電子ダイヤル
・AF/MFの切り替えが行えるフォーカスモードスイッチ
・ファインダー:約236万ドット、倍率約1.15倍、120fps対応
・モニター:3.0型(約162万ドット、タッチパネル対応)
・UHS-II対応のSDデュアルカードスロット
・次世代マルチアクセサリーシューを搭載
・防塵・防滴構造、マグネシウム合金製シャーシ
・「image.canon」のクラウドRAW現像に対応(有償)
・サイズ:約132.0(幅)×90.4(高さ)×91.7(奥行)mm
・重量:約612g(バッテリー、カードを含む)

「EOS R7」は、「EOS Rシリーズ」では初となる“7”のナンバリングを冠した上位モデル。APS-C一眼レフの名機「EOS 7Dシリーズ」と同様、高速・高精度AFと高速連写を実現した高性能なAPS-Cミラーレスとなっている。

上記の主な特徴を見てもわかるように、「EOS R7」は、かなり充実したスペックを搭載している。APS-Cミラーレスとしては2022年5月24日時点で最高スペックを誇る1台と言っていいだろう。

まず注目したいのがAF性能の高さだ。高性能なフルサイズミラーレス「EOS R3」ゆずりの「デュアルピクセルCMOS AF II」システムを採用し、画面全域で高速・高精度に被写体を検出・追尾できるようになっている。「人物」「動物優先(犬/猫/鳥)」「乗り物優先」の被写体検出に対応するうえ、「EOS R3」と同様、「被写体追尾(トラッキング)」機能もAF方式から独立した形で備わっており、基本的な使い勝手は「EOS R3」と同等と言っていい。「EOS R3」ゆずりのAF性能をAPS-C機で使用できるのは、野鳥や動物、飛行機、鉄道、スポーツといった被写体を撮影する人にとって魅力に感じるはずだ。

「人物」「動物優先(犬/猫/鳥)」「乗り物優先」の被写体検出に対応
「被写体追尾(トラッキング)」機能も独立した形で搭載している

加えて、高速連写を実現しているのも見逃せないポイント。メカシャッター/電子先幕時に「EOS Rシリーズ」で最速となるAF/AE追従で最高約15コマ/秒、電子シャッター時に「EOS R3」と同等となるAF/AE追従で最高約30コマ/秒の超高速連写が可能となっている。15コマ/秒連写時の連続撮影可能枚数は、UHS-II カード使用時でJPEG(ラージ)が約224枚、HEIFラージが約190枚、RAWが約59枚、RAW+JPEGラージ/RAW+HEIFラージが約51枚。

「EOS R7」は、上記のような高速性を、最大約3250万画素の高画素で達成しているのがポイント。これは、撮像素子に新開発のCMOSセンサーを採用したうえ、映像エンジンに最新の「DIGIC X」を搭載しているのが大きい。「EOS M6 Mark II」などで好評を得た、電子シャッター時の高速RAW連写機能「RAWバーストモード」も搭載しており、このモードでも、最大約3250万画素のフル画素でAF/AE追従・最高約30コマ/秒の連写が可能だ。シャッターボタンを全押しした瞬間の約0.5秒前から記録する「プリ撮影」にも対応している。

「EOS M6 Mark II」などに搭載されていた「RAWバーストモード」が復活。AF/AE追従で最高約30コマ/秒の連写と「プリ撮影」が可能だ
ボディ内手ブレ補正のロール補正を使って、撮影画面が水平になるように自動補正する機能が備わっている。静止画撮影、動画撮影の両方に対応

操作性では、サブ電子ダイヤルの位置がファインダーの右側に移動になり、AFフレームの移動などに使うマルチコントローラーと同軸になったのがトピック。「EOSシリーズ」上位モデルのサブ電子ダイヤルに慣れている人にとっては驚きの仕様変更ではないだろうか。「さすがにその位置だと使い始めは違和感があるのでは……」と思ったが、実機を試してみたところ、思ったよりもスムーズに扱えるという印象を受けた。親指を大きく移動することなくマルチコントローラーを操作できるのが便利で、撮影時は、露出補正とAFフレームの移動などの操作をよりスムーズに行えるようになった。画像再生時も、画像送りと拡大表示を少ない指の動きで行うことができる。

キヤノンによると、「EOS R7」でサブ電子ダイヤルの位置を変更したのは、小型・軽量ボディでの使いやすさを追求した結果とのこと。ファインダーを覗いたまま自然に手が伸びる位置を検討し、マルチコントローラーとの同軸仕様に決めたとのことだ。

マルチコントローラーと同軸にサブ電子ダイヤルを配置。ファインダーを覗いた状態で、よりスムーズな操作が可能となった
ボディ前面の右手側にAF/MF切り替えのフォーカスモードスイッチを搭載
ボディ上面。ファインダーは少し出っ張った形状になっている。シャッターボタン周辺には、マルチファンクションボタンや感度設定ボタンなどが配置されている
UHS-II対応のSDデュアルカードスロットを採用
対応バッテリーはLP-E6NH/LP-E6N/LP-E6

「EOS R7」のシャッターフィーリングについてはストロークがわずかに深い印象。シャッター幕の動きもしっかりとしたものになっていて、最新の高性能なミラーレスとしてはシャッター音も比較的大きい。「EOS R3」や「EOS R5」などとはシャッターの操作感が異なっており、好みの分かれるところかもしれない。

動画撮影機能も充実しており、4K動画記録は、4K UHD Fine/30p、4K UHD/60p、4K UHDクロップ/60pの3種類に対応。4K UHD Fineでは、クロップなしでの7Kオーバーサンプリングによって、より高画質な記録が可能だ。HDR PQ動画(10bit)とCanon Log 3(10bit)にも対応。最大6時間の動画連続撮影も実現している。

クロップなしでの4K UHD/60p記録に対応。より高画質な4K UHD Fine時は30p記録となっている

ラインアップされるのはボディ単体と「EOS R7・RF-S18-150 IS STM レンズキット」。キヤノンオンラインショップの販売予定価格(税込)は、ボディ単体が197780円、「EOS R7・RF-S18-150 IS STM レンズキット」が246180円。2022年6月下旬の発売が予定されている。

上位機のAF性能を継承した小型・軽量モデル「EOS R10」

「EOS R10」に、沈胴機構を採用した小型・軽量な標準ズームレンズ「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」を装着したイメージ。全長約44.3mm、重量約130gの小型・軽量なレンズだ。4.0段分の補正効果を持つレンズ内手ブレ補正も備わっている

「EOS R10」の主な特徴
・撮像素子:最大約2420万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー(約22.3×14.8mm)
・映像エンジン:DIGIC X
・感度(静止画撮影時):ISO100~32000(拡張でIOS51200相当)
・AFシステム:最大で横約100%×縦約100%カバーの「デュアルピクセルCMOS AF II」
・低輝度合焦限界EV-4
・「人物」「動物優先」「乗り物優先」対応の被写体検出機能
・連写:メカシャッター時最高約15コマ/秒、電子シャッター時で最高約23コマ/秒
・電子シャッターでのRAW連続撮影機能「RAWバーストモード」(※クロップでの撮影)
・フォーカスブラケット/カメラ内深度合成に対応
・シャッタースピード:メカシャッター/電子先幕で最高1/4000秒、電子シャッターで最高1/16000秒
・同調速度:メカシャッターで1/200秒、電子先幕で1/250秒
・HDR PQ撮影に対応
・「パノラマショット」「流し撮り」などのスペシャルシーンモード
・動画撮影:4K UHD/30p、4K UHDクロップ/60p、フルHD/120p記録に対応
・HDR PQ動画に対応
・動画電子ISに対応
・最大6時間の動画連続撮影
・AF/MFの切り替えが行えるフォーカスモードスイッチ
・ファインダー:約236万ドット、倍率約0.95倍、120fps対応
・モニター:3.0型(約104万ドット、タッチパネル対応)
・UHS-II対応のSDカードスロット
・次世代マルチアクセサリーシューを搭載
・「image.canon」のクラウドRAW現像に対応(有償)
・サイズ:約122.5(幅)×87.8(高さ)×83.4(奥行)mm
・重量:約429g(バッテリー、カードを含む)

下位モデル「EOS R10」の特徴は、最新の映像エンジン「DIGIC X」など、小型・軽量ボディに上位モデルゆずりの性能をいくつも搭載していることだ。ボディ内手ブレ補正は非搭載ながら、AFや連写はかなりハイレベルな内容になっている。

ボディサイズは約122.5(幅)×87.8(高さ)×83.4(奥行)mmで、重量は約429g(バッテリー、カードを含む)。「EOS Rシリーズ」のカメラとしては最小・最軽量で、一眼レフ「EOS Kiss X10」と比べると高さが約4.8mm抑えられているほか、重量は約20g軽くなっている。キットレンズとして用意される標準ズームレンズ「RF-S18-45mm F4.5-6.3 IS STM」との組み合わせは総重量約559gと、かなり軽い。実際にこの組み合わせを持ってみて、「EOS Kissシリーズ」よりも携帯性が高いと感じた。普段使いの一眼カメラとして、また「EOS Kissシリーズ」からの買い替えにマッチするカメラではないだろうか。

左が「EOS R10」で、右が「EOS Kiss X10」。いずれもキットレンズを装着した状態だ。「EOS R10」は高さが低いうえ、キットレンズの標準ズームレンズがコンパクトな分、より小さく見える
左が「EOS R10」で、右が「EOS Kiss X10」。「EOS R10」はファインダーが出っ張った形状になっている
「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」のズームリングを繰り出した状態(撮影可能な状態)
ガイドナンバー約6の内蔵ストロボを搭載。「EOS Rシリーズ」としては初の内蔵ストロボ搭載モデルだ
「EOS R7」と同様、ボディ前面にAF/MF切り替えのフォーカスモードスイッチが備わっている

「EOS R10」のAFシステムは、画面全域で高速・高精度に被写体を検出・追尾できる「デュアルピクセルCMOS AF II」。「人物」「動物優先(犬/猫/鳥)」「乗り物優先」の被写体検出と、「被写体追尾(トラッキング)」機能にも対応しており、AFの基本的なところは上位モデルと変わらない。AFエリアも「EOS R7」と同じ8種類だ。被写体の動きにあわせて追従スタイルを選択できる4種類+AUTOのサーボAF特性の設定も可能で、より本格的な仕様となっている。

「EOS R7」と同様、8種類のAFエリアを選択できる
上位モデルと同じく、4種類+AUTOのサーボAF特性の設定が用意されている

さらに連写性能も高く、メカシャッター/電子先幕時は、「EOS R7」と同じく「EOS Rシリーズ」最速となるAF/AE追従・最高約15コマ/秒に対応。電子シャッター時はAF/AE追従で最高約23コマ/秒連写が可能だ。15コマ/秒連写時の連続撮影可能枚数は、UHS-II カード使用時でJPEG(ラージ)が約460枚、HEIFラージが約190枚、RAWが約29枚、RAW+JPEGラージ/RAW+HEIFラージが約23枚。クロップでの撮影になるが、最高約30コマ/秒連写とプリ撮影が可能な「RAWバーストモード」にも対応している。

クロップ撮影での「RAWバーストモード」の利用が可能
フォーカスブラケット時のカメラ内深度合成に対応。「EOS R7」にも搭載された機能だ
HDR PQ撮影にも対応している

「EOS R10」の操作感については、「EOS R7」と比べるとグリップが細い形状になっており、「EOS Kissシリーズ」のホールド感に近いと感じた。ボタンの操作感も「EOS R7」とは異なっており、しっかりと押し込んで操作する仕様になっている。また、シャッター音は「EOS R7」よりもやや大きい印象を受けた。キヤノンのラインアップとしてはミドルクラスのカテゴリーに入っているが、操作感はどちらかと言えばエントリー機に近い印象を受けた。

ラインアップはボディ単体と「EOS R10・RF-S18-45 IS STM レンズキット」の2種類で、キヤノンオンラインショップの販売予定価格(税込)は、ボディ単体が143880円、「EOS R10・RF-S18-45 IS STM レンズキット」が176880円。2022年7月下旬の発売予定だ。

まとめ 「EOS R7」はより本格的な動体撮影モデル。「EOS R10」は普段使いのカメラにピッタリ

以上、駆け足になったが、「EOS Rシリーズ」初のAPS-Cミラーレス「EOS R7」「EOS R10」の特徴、ならびにファーストインプレッションをお伝えした。

「EOS Rシリーズ」のAPS-Cモデルについては以前から登場が期待されていたが、両モデルとも、「EOS R3」のAFシステムを継承したうえ高速連写も実現しており、期待を上回るスペックを実現していると言えよう。「EOS R7」は、動体撮影でより高速な連写を必要とする人向けで、特に「EOS 7Dシリーズ」のユーザーにとって買い替えの対象となるカメラだ。いっぽう、「EOS R10」は、より小型・軽量なボディが魅力で、普段使いのカメラとして選択したいモデルとなっている。「EOS Rシリーズ」のフルサイズミラーレスのサブ機としても活躍しそうだ。

本記事では紹介しきれなかったが、両モデルとも、スペシャルシーンモードに「パノラマショット」が追加されたほか、「流し撮り」などのモードの精度が向上しているなど、撮影機能の強化も図れている。また、2022年7月下旬公開予定のファームウェアアップデートで、キヤノンが提供するクラウドプラットフォーム「image.canon」の新機能「クラウドRAW現像」に対応するのも見逃せない。「クラウドRAW現像」では、ノイズやジャギー、モアレ、偽色を低減する処理機能が進化し、カメラ内RAW現像よりも高画質に仕上げることができるとのこと。

価格.comマガジンでは後日、両モデルの詳細なレビューを掲載する予定だ。

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