「自分の夫がひどい人だなんて思いたくない」母の言葉に複雑な気持ちに #母の認知症介護日記 172
アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
保険証や診察券が入ったお財布がなくなったことに気付き、母・あーちゃんはパニック状態。ワフウフさんは、半泣きで病院に行けないと言うあーちゃんを電話口で必死になだめ続け、なんとか高齢者乗車券を使ってとりあえず病院に来てもらうということで落ち着きました。その後、この一連の流れをワフウフさんから聞いた姉・なーにゃんも、忙しい仕事の合間にあーちゃんに電話。思っていたよりもしっかり会話ができていて、安心していたのですが……。結局あーちゃんは何もかも忘れてしまっていたようで、ワフウフさん姉妹はただただパニック状態のあーちゃんに振り回されただけとなりました……。
いつものパターンが崩れて混乱
あれだけ病院には自分が付き添うと豪語していた父ですが、実際に病院に来ることはなく……。あーちゃんだけが、本当に手ぶらで病院にやって来ました。お財布をなくして不安だったと思いますが、無事に病院に来てくれてワフウフさんもホッとしました。今の状況だと、万が一、何も管理してくれない父があーちゃんの薬をもらって帰ってしまったら大変だと思い、ワフウフさんは窓口に相談することに。ありがたいことにすぐに対応してもらえて、診察予約を入れていないのに、先生にも直接事情を話すことができました。
このごろ、私は何度言い聞かせても父と出かけてしまうあーちゃんに対し、イライラが隠し切れなくなっていました。しかし、姉からあーちゃんを怒るのは逆効果だと言われて納得。今後はできるだけやさしく言い聞かせ、あーちゃんと信頼関係を保つことを最優先に考えようということに。
父は、相変わらずこう言い続けて、あーちゃんを洗脳しようとしています。
あーちゃんは、そんな父と出かけてしまう言い訳としてこんなことを言いますが……。
※たんたん:ワフウフさん姉妹の父、あーちゃんの夫
さらにこんなことも言うように。これは言い訳でもあり、あーちゃんの本音なのだろうと思うと、これまでの2人のいざこざをずっと見続けてきた私たち娘からすると、複雑です。
でも、ここで怒ってしまうのは逆効果。やさしく何度でも言い聞かせます。
病院で父のことをいろいろと相談しているときも、あーちゃんはその場にはいますが、会話の内容も状況も理解できていません。
ただ、何を話していたのかは気になる様子。
このあと、先生にも話をすると伝えると……。
先生と話す=診察だと勘違い。
そして、また話はループし始めます。
診察=薬をもらう日と思っているあーちゃん。次は薬がないと言いだします。
いつものパターンがちょっとでも崩れると、ここまで対応できなくなっているんだなと思ったのでした……。
何度言い聞かせても、あーちゃんは父と出かけてしまう。それが認知症のせいだと頭ではわかっていても、あーちゃんに対してイライラが隠せないことも多々……。でも、姉・なーにゃんから「あーちゃんを怒るのは逆効果だと思う」と言われ、私も納得。何度でもやさしく言い聞かせ、何かやらかしてしまったときには怒らず尻ぬぐいをする、というのを心掛けることにしました。今は、あーちゃんと信頼関係を保つことが最優先です。
このごろ、あーちゃんは父と出かけた言い訳に「うまいこと言うから、すぐにだまされちゃう」と言うようになりました。さらに「自分の夫がひどい人だなんて思いたくない」とも言うように……。後者は言い訳でもあるけど、おそらくあーちゃんの本音なのだろうと思います。今、父がかけてくれるやさしい言葉に、裏があるなんて思いたくないのでしょう……。私たち娘にできることは、常に父の行動に目を光らせ、何かやらかしたときにはその都度解決するだけ。そして、あーちゃんには淡々と父がひどい人だと言い聞かせるしかありません。
あーちゃんが信じたいと思っている父のせいで、病院にもいろいろと相談する事態になっているのですが、あーちゃんは私が病院のスタッフと何を話しているのか理解できず……。先生とお話があると言うと、それが診察だと勘違いして、薬をもらわないといけないと騒ぎだし……。何度も何度も説明して、ようやく納得してくれましたが、いつものパターンを崩されるだけでこんなに混乱してしまうのかと困惑してしまいました。もう、決まったパターン以外には対応できなくなっているようです。
--------------
これだけ多くのことを忘れるようになっても、父のことを信じたい、ひどい人だと思いたくないという感情が残っているのであれば、やはりそれはあーちゃんの本音なのかもしれません。ワフウフさん姉妹にとっては複雑だと思いますが、誰が悪いわけでもないことがわかっているからこそ、怒りをどこにもぶつけられない状況はつらいですね。自分の感情をコントロールしながら認知症と向き合うのは、簡単にできることではないですよね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。