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『トイ・ストーリーホテル』はなぜ“モデレートタイプ”? 特徴・戦略を解説【新ディズニーホテル】

ウレぴあ総研

東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル「スリンキー・ドッグパーク」 ©Disney/Pixar TINKERTOY is a trademark of Hasbro and is used with permission. ©2021 Hasbro. All Rights Reserved. Licensed by Hasbro.

2022年4月5日、日本国内では5つ目となるディズニーホテル「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」が開業しました。

特定の映画シリーズをテーマにしたホテルが誕生するのは、東京ディズニーリゾートでは初めてのこと。

実は、このホテルには、もう一つの「初めて」があるのです。

今回は東京ディズニーリゾートに新しく誕生した「モデレートタイプ」のディズニーホテルについて、今後の戦略を含めて見ていきたいと思います。

初めての「モデレートタイプ」

これまで、東京ディズニーリゾートのディズニーホテルは、2つのタイプに分かれていました。

一つは上質な空間で、優雅なリゾートステイが味わえる「デラックスタイプ」。

以下の3つのホテルが該当します。

ディズニーアンバサダーホテル東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ東京ディズニーランドホテル

もう一つは快適な空間で、シンプルなリゾートステイを楽しめる手ごろな価格の「バリュータイプ」。

こちらは、東京ディズニーセレブレーションホテルが該当します。

婚礼や宴会サービスも提供していて、パークからも近いデラックスタイプと、パークからは距離があるものの、そのぶん価格がリーズナブルなバリュータイプの二択だったのです。

実は、今回新しく誕生した東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルは、このどちらにも該当しません。

デラックスとバリューの中間に当たる「モデレートタイプ」のホテルになります。

では、モデレートタイプのホテルは、どのようにサービスが違うのでしょうか。

「宿泊特化型」だけど、ここだけの体験がたくさん!

トイ・ストーリーホテルは、デラックスタイプのディズニーホテルと比べて、宿泊料金がリーズナブルに設定されています。

部屋のタイプや宿泊時期によって異なりますが、一部屋当たりだと25000円から50000円前後に。

東京ディズニーセレブレーションホテルでも、一部屋18000円からというのを考えると、かなりお得になっているのが分かりますね。

ただし、宿泊料金がリーズナブルということは、そのぶんだけサービスも簡素化されています。

以下はトイ・ストーリーホテルのサービスの特徴です。

キャストによる客室までの案内はありません。荷物は自分で運びます。子ども用のパジャマとカミソリは、ゲストサービスカウンターで受け取ります。客室内の冷蔵庫に、水や飲み物の用意はありません。各階にウォーターサーバーとアイスディスペンサーがあります(無料)。ルームサービスはありません。

サービスは絞られていますが、ホテルからパークへのアクセスは問題なし。

トイ・ストーリーホテルが建てられたのは、東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテルであるヒルトン東京ベイと、ホテルオークラ東京ベイの間。

パークからモノレール「ディズニーリゾートライン」に乗って、ベイサイド・ステーションで降りれば、ホテルは駅の目の前なのです。

これなら、小さな子どもがいる家族でも安心ですよね。

また、トイ・ストーリーホテルは、ここだけの体験がたくさん用意されています。

例えば、エントランス前にある「スリンキー・ドッグパーク」では、巨大なバズ・ライトイヤーやジェシーが私たちを出迎えてくれます。

ここは子どもたちが自由に遊べるようになっていて、記念写真にもピッタリの場所だと言えるでしょう。

ホテル中庭の「トイフレンズ・スクエア」にも、ウッディやボー・ピープをはじめとした映画に登場するキャラクターたちがおり、まるで自分がおもちゃの一員になった感覚を味わうことができるのです。

どうして「モデレートタイプ」なのか

では、ここからは東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが、どうしてこのホテルを建てたのか、その理由について考えてみることにしましょう。

東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルがある場所は、もともと「東京ベイNKホール」というコンサートホールが建っていました。

ホールは施設の老朽化に伴って、2005年7月に閉館。

その後、長らく利用方法が決まらないまま放置されていたのです。

事態が大きく動いたのが、2013年12月のこと。

施設と土地を保有してた第一生命保険から、オリエンタルランドが買い取ることを発表したのです。

2015年から施設の解体工事が始まり、跡地には隣接ホテル用のエネルギーセンターだけが残されました。

ファンの間では「パークの立体駐車場を新設するのでは?」「新しいディズニーホテルを建てるのでは?」といった噂が流れたのですが、オリエンタルランドからの公式発表はなし。

そして2018年11月28日、ついに映画『トイ・ストーリー』シリーズをテーマにした、新しいディズニーホテルの建設が発表されたのでした。

では、どうしてここに「モデレートタイプ」のホテルを建てたのでしょうか。

実はトイ・ストーリーホテルの目の前には、2023年度の開業を目指して、東京ディズニーシーの新しいテーマポート「ファンタジースプリングス」の建設工事が進められています。

ここには、475室の新しいディズニーホテルも併設される予定なのです。

ファンタジースプリングスホテル(仮称)には、デラックスタイプの客室に加えて、最上級の宿泊体験を提供する「ラグジュアリータイプ」が初めてつくられる計画です。

パーク一体型ホテルとしては、これまで東京ディズニーシー・ホテルミラコスタがありましたが、このホテルはさらにその上をいくということでしょう。

つまり、トイ・ストーリーホテルは高級路線のホテルとは差別化するために、モデレートタイプに設定されたと考えることができるのです。

もちろん、周辺にある東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテルとの差別化も目指しています。

宿泊料金ではオフィシャルホテルと互角に戦うことができますし、なによりホテルに帰っても映画の世界観を体験できるというのが、最大の武器になっています。

それは、トイ・ストーリーホテルの敷地内には、宿泊者しか入れないというルールからも分かります。

ショップやレストランだけの利用は認めない。

ホテルへの宿泊を通して、「おもちゃの一員になる」という体験価値を感じてほしい。

トイストーリーホテルからは、そのようなオリエンタルランドの思いが感じられるのです。

あくまでも推測ですが、キャラクター・グリーティングを導入するなど、宿泊者限定のサービスをさらに強化することで、周辺ホテルとより一層の差別化を図っていく可能性もありますね。

ファミリーだけではなく「春キャン」も想定に?

従来のデラックスタイプのディズニーホテルと比べると、東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルはリーズナブルに宿泊することができます。

部屋の定員は3名から4名に設定されていますので、家族連れでもゆったり泊まれるでしょう。

実はトイ・ストーリーホテルには、日本国内のディズニーホテルでは初めて、プルダウンベッドが導入されました。

普段は壁に収納しておくことができ、寝るときだけ引き出して使うベッドになっています。

これなら大人4人で泊まっても、部屋が狭く感じることはありません。

「春キャン」と呼ばれる、春の学生向け優待キャンペーンでも、宿泊先の選択肢の一つになっていくことでしょう。

また、ホテル内にあるレストラン「ロッツォ・ガーデンカフェ」は、朝と夜のみの営業で、昼(ランチ)は営業していません。

これもおそらく、サービスの簡素化に加えて、日中はほとんどのゲストがパークに遊びに行く前提で考えているからだと思います。

こういった特徴からも、従来のデラックスタイプのホテルとは違うことが分かります。

選択肢が広がったディズニーホテル

今回の東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルの誕生によって、ディズニーホテルの選択肢が広がりました。

特別な時間を過ごしたいとき、できるだけ料金を抑えたいとき、友達とワイワイ騒ぎたいとき…。

5つのディズニーホテルそれぞれで、魅力と特徴は大きく異なります。

ぜひ、自分の目的に合わせてディズニーホテルを選んでみてくださいね。

(ディズニー特集 -ウレぴあ総研/舞浜新聞)

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