県高校総体前特集 バレーボール男子③ 伸びしろ十分な鶴崎工業【大分県】
全国高校総体(インターハイ)が日田で開催されるバレーボール男子。その県予選となる県高校総体の組み合わせが決まった。今回はシード権を獲得した4校を紹介する。
第3回は着実にステップアップしている鶴崎工業だ。
ここ数年でメキメキと力を付け、4強に定着した鶴崎工業。二宮裕和監督は「まだ他(大分南、大分工業、別府鶴見丘)には及ばない」というが、2月の県高校新人大会の3位決定戦(シード順位戦)で別府鶴見丘をフルセットの末に下すなど結果を出した。
現在チームには3年生10人、2年生12人、1年生15人が在籍。大所帯だが平均身長は決して高いとはいえず、エースと呼べる選手もいない。しかし、昨年から現3年生を中心にプレーしてきたため、団結力は強い。全員バレーで県高校新人大会、全九州バレーボール総合選手権大会県予選(九総予選)を戦い、着実な成長を遂げてきた。
特に九総予選をケガで欠場した糸長泰慎(3年)に代わり、山木快斗(2年)や城井優多(1年)など下級生が経験を積んだことは大きい。満足のいく戦いはできなかったというがチームの総合力は間違いなく向上している。
「ブロックも弱いし、レシーブの技術もまだまだ。決定力もない。精神面も含め全てを底上げする必要がある」。二宮監督は厳しい言葉を重ねるが、それは伸びしろがあるということでもある。得点源として活躍が期待される糸長やオポジットの渡辺瑛太、180cm近い高身長を生かしたトスワークでチームを支えるキャプテンの高橋駿介ら3年生がチームの軸となる。成長途中の1、2年生がどれだけ食い込んでいけるか、そこでどんな化学反応が起こるのか。うまくはまれば大会までに大きく化ける可能性もありそうだ。
高橋は「試合を想定し、どこに球を上げるのか、どう受けるのか、どうやったら勝てるのかを考えながら毎日練習に取り組んでいる。九総予選では自分たちのバレーができなかったので、県高校総体では全員で全力を尽くしたい」と気合十分。糸長も「九総予選はケガで出場できず、悔しい思いをした。県高校総体までに自分がやるべきことをしっかりやり、チームに貢献したい」と真っ直ぐに前を向く。
県高校総体の目標はもちろん優勝。どこにも負けない団結力と伸びしろを武器に追い求めた頂点を目指す。
(甲斐理恵)