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キコ・ルーレイロの新ソロ『OPEN SOURCE』がリリース、ゲスト参加楽曲の真相などを語る

YOUNG

キコ・ルーレイロ

現在メガデスのギタリストとして活躍中のキコ・ルーレイロが、3枚目となるソロ・アルバム『OPEN SOURCE』をリリース。海外では7月10日、日本盤は同22日に発売となった。ヘヴィ・メタルをサウンドの土台に据え、ブラジリアン・ミュージックが持つエキゾティックな要素と現代的な重低音をバランス良く取り入れた、テクニックもメロディーも満載のギター・インスト作に仕上がっている。レコーディング・メンバーには、キコが長年籍を置いて活動を共にしてきた母国ブラジルのメロディック・スピード・メタル・バンド:ANGRAのフェリッペ・アンドレオーリがベースを、ブルーノ・ヴァウヴェルデがドラムをプレイしている。

また本作は、ヘヴィな「Imminent Threat」に元メガデスのギター・レジェンド:マーティ・フリードマン、そしてバラードの「Liquid Times」には、キコと同じくブラジル出身で若手ヒーローと注目されるマテウス・アサトをゲスト・ギタリストに迎えていることも、大きな話題となった。

こういったレコーディング・メンバーの人選や、ゲストが参加した楽曲の誕生経緯などの背景について、キコが語ってくれたインタビューをお届けしよう。

「Imminent Threat」がヘヴィになったのはメガデスの影響かもしれない

YG:今回、『OPEN SOURCE』のレコーディングに参加したのは、現ANGRAのリズム隊です。そもそもベースのフェリッペ・アンドレオーリは、2006年の『FULLBLAST』以降、ほぼずっとあなたのソロ作に関わっていますね。ドラマーのブルーノ・ヴァウヴェルデも相当なテクニシャンです。ブラジリアン・ミュージックとメタルの融合したあなたの音楽を理解して実現する上で、やはりこういったスタイルに明るい彼らが適任だったのですか?

キコ・ルーレイロ(以下KL):そうだね。彼らは素晴らしいプレイヤーだというだけでなく、友達でもある。去年はトリオ編成として、僕のソロ曲をプレイするギグも行なっていた。彼等にこのアルバムに関する曲の話をすると、すごくエキサイトしてくれたんで、レコーディングに迎えられたらいいなと思ったんだ。 ブルーノは、ANGRAに加入する以前から僕のソロ・アルバムに参加していた。(編註:2014年に脱退したリカルド・コンフェッソーリの後任を決める際)僕が彼に、ANGRAで叩くよう勧めたんだよ。この2人は僕の曲をすべて知っている。ソロ曲もANGRAの曲もプレイしたから、僕の歴史を知って理解してくれている。だから、やりやすいんだ。いいものをすべて備えている。

でも、今後も必ずそうしようと思っているわけじゃないんだよ。もしかしたら、次のアルバムでは全く違うミュージシャンと全く違うことをやってみるかもしれない。いろいろと試してみるのもまたいいよね。今回はたまたまこのラインナップになったんだ。

YG:そして、「Imminent Threat」にはマーティ・フリードマン、「Liquid Times」にはマテウス・アサトがゲスト参加としてソロを弾いています。彼らのゲスト参加は元々決まっていたのでしょうか? それとも楽曲が出来てからオファーをしたのでしょうか?

KL:アルバム収録曲すべてが先に出来たんだ。それからゲスト・ソロをお願いしようと思いついた時に、どの曲なら参加してもらえるかと考えたんだよ。ただ、実はそこが問題でね。長いソロ・パートのある曲がなかったから。僕は、インプロヴィゼーションが多くジャムっぽい曲は作りたくなかったんだ。でも、この2曲にはソロを入れられるいい箇所があったんで、マーティには「Imminent Threat」を送って、「ここのセクションで好きにやって欲しい」と言ったよ。彼は実に見事なソロを入れてくれた。マテウスに送った「Liquid Times」も、彼のスタイルに合うと思ったからだ。彼は素晴らしい仕事をしてくれた。すごくメロディックな曲だからね。以前の彼はもっとメタルしているシュレッダーだったけど、その後クリーン系のサウンドを駆使する今のスタイルになった。素晴らしいよ。自分の音を見つけたんだ。

YG:この2曲が出来た経緯について、もう少し詳しく聞かせてもらえますか? 

KL:いいよ。「Imminent Threat」は、ギターを全弦1音下げチューニングで弾いたので、よりヘヴィなサウンドになっている。これはある意味、今僕がメガデスでプレイしている影響じゃないかな。このバンドでは常に全弦1音下げを使っている。かなりヘヴィな音で、前回のツアーでも同様だった。それで、この曲でもギターのサウンドをちょっとヘヴィにしたかったのかな。もしくは、家にあったギターのチューニングがたまたまこれになっていたからなのかもしれない。これは、プリプロダクションの最後に仕上げたものなんだ。アルバムに、リフ主体の複雑な曲を入れたかったんでね。ソロをマーティに頼んだのは、先述の通り後になってからだった。僕のプレイに関しては、すごくメロディックでグルーヴィなものができたので、これまでやったことのない形のメロディーを見つけようとした。それで、メイン・コーラスではディストーションをかけつつもファンクっぽい弾き方をしたよ(笑)。

YG:曲名の通り、強烈なスタイルですね。

KL:この曲名…「Imminent Threat」(差し迫った脅威)は、当初「Pandemic」にすることを考えていたけど、実際にパンデミックが起きたので使わないことにした。気分が良くないものね。でも、L.A.では山火事もあったりと、すごく身近なところで地球の人類に対する扱い方の脅威(Threat)が感じられた。温暖化やウィルス、僕たちの周りには様々な脅威がある。人間の暮らし方が引き起こしたものだ。それでこの曲のヴァイブはアグレッシヴになり、曲名もこうなった…というわけ。

YG:マテウスが参加した「Liquid Times」については? 

KL:彼に合うであろう曲はもう1つあったけど、結局こっちに決めたんだよ。内容は…かなり前に同名のタイトルがついた本を人からもらったんだ。作者の名前は覚えていないけど、その人は『Liquid Times』以外にも『Liquid Love』『Liquid Society』といった書籍を出していた(編注:ポーランド出身の社会学者、ジグムント・バウマン<Zygmunt Bauman>と推測)。“Liquid”とは、安定していないもの、基盤のないもの…といったとても緩いものを指していて、それは良くないことなんだ。例えば“Liquid relationship”(不安定な関係)というのは、家庭を持ちたがらないことを指している。だからこの曲名は、僕たちが生きているこの時代をちょっと反映しているんだ。

楽曲は、ヘヴィなリフがベースになっている。メガデスのように、すごく独特なリフだね。自分がいるからメガデスの名前を出したわけじゃなくて、’80〜’90年代に出てきたいいリフに影響されたバンドはたくさんいるはずだ。当時はああいったリフが溢れていたもの。僕はスコーピオンズやジューダス・プリーストとツアーしたことがあるけど、彼等の音楽にも素晴らしいリフがたくさんある。自分自身こういったバンドのファンなんで、ツアー中に毎晩彼らのプレイを観て、ああいう象徴的なリフを聴いたことによって、僕もシンプルで象徴的かつ独特な印象をもたらすリフを書いたんじゃないかな。そういうリフの入った曲がこのアルバムには幾つかあるけど、これはそのうちの1つなんだ。1曲目の「Overflow」もそうだね。

メロディーは僕がアコを持った時によく弾くフレーズで、実は5分ぐらいで出来た。インプロヴァイズだよ。やり直しはしなかった。でも、その方が自分らしさが出ると思う。今こうして話しているのと同じで、思いつくままに作っていくだけ。何度も聴き直して別の案を試すこともあるけど、そこはバランスだね。最初の直感を信じることも大事なんだ。

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