知らないと損をする生前整理のすすめ
死後、遺族や自分自身が困らないよう、身辺や財産の整理をしておくと安心です。
生前整理の手順や注意点をまとめました。
※この記事は千葉終活支援ネット主催講座「生前整理・遺品整理の現場から」を参考に作成しました。
生前整理をしないと起こる損失や不具合
家の中には思わぬお宝や資産が埋もれていることがあります。
中には所有者本人が保管場所を忘れている物も。
生前整理をしてそれらの存在を把握しておけば換金したり譲渡したりできますが、しなかった場合、本人死亡後の遺品整理でうっかり重要書類(株券、有価証券、権利書、他)を捨ててしまい重大な損失を招く可能性もあります。
また、家の中に物があふれ部屋が片付いていないと、生活に支障が出ます。
さらに死後には、遺族が途方に暮れることになるでしょう。
万が一ごみ屋敷化してしまうと近隣への重大な迷惑になるので、元気なうちに片付けを進めておきたいものです。
ちなみに他人に知られたくない趣味や隠し事がある人は、ぜひとも生前整理をしておいた方がよいでしょう。
段取りが大事。処分する前に買取査定を
生前整理の段取りや業者選びを間違えると大損をすることも。
必ず以下の手順で行いましょう。
(1)見積り
必ず複数業者からもらってください。
現場を見ずに金額を出す業者はNG。
作業後、追加請求される可能性も。
(2)仕分け・買取
業者の指導の下、正しく仕分けやごみの分別を行います。
くれぐれも自己判断で捨ててはいけません。
「こんな物に価値が?」と思うような物も買取対象になることがあります。
買取を上手に利用すれば、片付け費用を相殺したり、負担を抑えられるかもしれません。
【MEMO】衣料品の買取は…?
残念ながら衣料品は市場にあふれているため、生前整理で買取対象になることはほとんどありません(一部ブランド品を除く)。資源回収に出す、リサイクルショップに持ち込む、衣服の寄付を受け付けている慈善団体に送るなどの方法が考えられます。
(3)処分
買取が終わった後、自治体のルールに従ってごみなどを処分しましょう。
死後どうしてほしいかを家族に伝えておくことで、余計なプランを勧める業者に惑わされることも防げます。
理想的な相続・整理のため、自己決定できるうちに生前整理を検討してみてはいかがでしょうか。
生前に確認しておきたいこと
■自分の財産を誰に託したいのか、意思を明確に。
■株券、有価証券、権利書など、資産に関わる大事な書類の存在を明らかにしておきましょう。
■パソコンのパスワード。パスワードが分かればパソコンを初期化して買取に出せますが、初期化できなければ処分するしかありません。
■思わぬデジタル資産がある可能性も(下図)。買取業者に確認してもらいましょう。
デジタル資産の例
デジタルの遺品からは、資産だけでなく負債が見つかる場合もあります。
定期的に引き落としされるサブスクのサービスの入会状況なども把握しておきたいですね。