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〈西大寺〉石の専門家と行く 西大寺で石塔・石仏さんぽ

Narakko!

石の専門家と行く 西大寺で奈良さんぽ

西大寺界隈には国内最大規模の美しい五輪塔をはじめ、立派な石塔や石仏があります。地元在住の石の専門家に、西大寺から尼ヶ辻の石造物を案内してもらいました。

【歩行距離:約7km】

案内人:池渕泰正さん
(池渕石材工業株式会社) 創業100年の石材店で、奈良市内を中心に墓石販売や墓地紹介を行う。 大和西大寺駅
スタート

❶ 西大寺奥の院 五輪塔(法界躰性院)

路地を進むと突如視界が開け、堂々とした五輪塔が現れる。西大寺中興の祖、叡尊(えいそん)上人(興正菩薩)の廟所。門正面の興正菩薩廟塔(石造大五輪塔)は、高さ342cmと日本最大級の大きさで、鎌倉時代後期の最高傑作と評される。他の和上や長老の五輪塔もある。

静寂の中に凛と佇む、大きくて美しい五輪塔です【 五輪塔とは 】インド古代思想の「五大(宇宙を構成する5つの要素)」を表す、日本オリジナルの石造物。下から四角形の地輪、球体の水輪、三角形の火輪、半球の風輪、宝珠形の空輪。鎌倉~室町時代に高野聖(高野山から派遣された遊行僧)が全国に広めたとされる。

西大寺奥の院
住所: 奈良市西大寺野神町1丁目6-10

❷ 西大寺共同墓地(青野墓地)

地蔵石仏(東側入り口)

右手に錫杖、左手に宝珠を持つ舟形石仏。口元は笑っているようで、目元が少し怖い印象のお地蔵さん。室町後期の天文22年(1553)の造立。

地蔵石仏(西側入り口)

墓地から西へ少し離れた辻にある、高さ160cmほどの優しい表情のお地蔵さん。鎌倉後期の作風とされる。

六地蔵

死者が行く6つの世界(六道)で苦しみを救う6体の地蔵。六地蔵の真ん中に如来像が一緒に祀られていて珍しい。

台(うてな)死者を火葬する前に、棺(ひつぎ)を置くために使われた蓮花の台座。極楽往生を願うためのもの。 地域で行われる「民俗火葬」の名残ですね 西大寺共同墓地
住所: 奈良市西大寺芝町2-7

❸ 佛願寺の阿弥陀石仏

門の左脇のお堂におられる、奈良では珍しい阿弥陀如来の石仏。高さ約170cm、鎌倉時代作と考えられる。朗らかなお顔立ちで「いらっしゃい」と手招きされているかのよう。周囲にも石造物が並べられている。

簡単な見分け方は頭髪。お地蔵さんは剃髪、阿弥陀さんは螺髪(らほつ)です 佛願寺
住所: 奈良市宝来4-3-27
TEL: 0742-45-3213

❹ 尼ヶ辻 阿弥陀石仏

阪奈道路の進入路と旧三条大路に挟まれた三角地帯、「古跡 伏見崗(ふしみのおか)」に建つお堂に石仏が祀られている。約2mもあり、ふっくらとしたお顔立ちの阿弥陀様。鎌倉後期造立と考えられる。左隣に地蔵菩薩像も祀られている。

【 伏見崗は「伏見翁(ふしみのおきな)」ゆかりの霊地 】

伏見翁が、東大寺大仏建立にあたり、この場所で俗世間と親交を断ち3年間伏し、東大寺造営の土地を鎮め守護した。

尼ヶ辻 阿弥陀石仏
住所: 奈良市尼辻北町6

❺ 尼ヶ辻 地蔵石仏

三条大路5丁目交差点の西南角付近にある右手に錫杖を持たない古式の姿のお地蔵さん。鎌倉中期、文永2年(1265)の造立。奈良市指定文化財。

尼ヶ辻 地蔵石仏
住所: 奈良市四条大路5-5-52

❻ 喜光寺

室町後期から江戸末期造立とされる約150体の石仏群。文殊菩薩、春日地蔵、阿弥陀如来、不動明王など、どれも表情豊かでユーモラスなお顔立ちだ。

喜光寺
住所: 奈良市菅原町508
TEL: 0742-45-4630
営業時間: 9:00~16:00
拝観料: 500円
駐車場: あり

❼ HIGASHIDA FARM STRAWBERRY

喜光寺の西隣に白いトレーラーハウスを発見。天理の東田農園が無化学肥料・減農薬の土壌とイオン水で育てた「電子苺」を使ったパフェを注文。イチゴが新鮮で甘くて最高!

生いちごの和パフェHIGASHIDA FARM STRAWBERRY
住所: 奈良県奈良市菅原町502-1
TEL: 050-6863-3449
営業時間: 11:00〜16:00
定休日: 不定休 ※インスタグラムで告知
駐車場: あり

❽ bakery+ arinomamma

パン生地は、無化成肥料の国産小麦と自家製天然酵母を低温で長時間熟成しうまみたっぷり。中の具材やトマトソース、餡も無添加手づくりにこだわる。

自家製あんぱん 300円
チョコ&ココア 250円bakery+arinomamma
住所: 奈良市菅原東1-22-13メゾンピュア2-102
TEL: 0742-77-8893
営業時間: 9:00〜16:00(土曜日 〜17:00)
定休日: 日〜火曜、不定休
駐車場: あり
【旅を終えて】
どの石仏や石塔も手入れ献花され、お寺や地域の方が大切にお世話されてきた歴史を感じます。何気なく通り過ぎている身近な場所にも新たな発見は眠っている―そんな旅でした。
〈参考文献〉『奈良県史 第七巻 石造美術/名著出版』

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