福島第一原発の処理水は中国の外交カード
韓国・ソウルで行われた日中韓首脳会談。5月28日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が岸田総理と中国の李強首相で話し合われた福島第一原発の処理水問題について解説した。
村尾「ようやく話し合いの場が徐々にできつつあるという段階だと思うんですね。ただ中国政府の思惑とすれば、台湾問題もある、それから国内経済があまり調子良くないなど色々な問題を抱えてるわけですね。その中で日本と取引をしていく場面で処理水は1つの切り札になるかもしれません」
邦丸「ほぅ~」
村尾「処理水の問題を議論する際、一部の水産物については輸入OKにするよだとか、対日外交の切り札に使われるのではないでしょうか」
邦丸「ほぅ~」
村尾「そういうように使われると日本側も思っていたほうがいいと思いますね」
邦丸「外交カードの1つになっちゃうってことなんですか?」
村尾「中国だけではないんですが、他の国でも色んな問題があった時に『じゃあ、この問題と絡めて、こういう解決策をとりましょう』っていうのは外交の中でよくある手段ですから。中国は処理水問題をそういう使い方をしてくるのでないかと…」
邦丸「交換カードみたいなものですね?」
村尾「そうですね。処理水については国際機関からも安全なんだというお墨付きをいただいているわけですよ。だから中国も処理水の安全性についてとことん議論をしようというつもりはないと思います。振り上げた拳、これを下ろす時、他のカードを見ながら、下ろすスピード、下ろし方、これから考えてくると思いますね」
邦丸「なるほどね~」