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塩なしでもおいしいレアなじゃがいも「キタアカリ」は見つけたら即買い!!

TBSラジオ

日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを、新進気鋭のコラムニスト・ジェーン・スーが綴る。
あなたのお昼をちょっと彩る「人情・愛情・生活情報」の番組。

ゲストは、フルーツと野菜のスペシャリスト・元東京青果の加藤宏一さんをお迎えしました!

この時期にジャガイモを買うなら、キタアカリ!

Q:ジャガイモって、年中手に入りますが、旬はいつなのでしょうか?

産地や品種によってさまざまなんです。
4月の九州産「ニシユタカ」5月6月の静岡産や千葉県産の「男爵」「メークイン」茨城県産の「洞爺」、そして9月以降の北海道産の「男爵」「メークイン」が始まり、貯蔵した物が年明けの3月まで出回りますから、一年中無くなることはありません。強いて言えば、煮ても煮崩れしにくい「メークイン」は意識して仕入れると思います。栄養価の高いじゃが芋は学校給食の重要商材でもあります。

Q:キタアカリとは?

今回お持ちした「キタアカリ」は北海道留寿都の玉手農場が栽培したものです。1983年にキタアカリの試験栽培に協力した農家さんです。この時の国の機関の判断は柔らかく、煮ると解けてなくなることや機械収穫に向かないということで登録から外した品種です。玉手さんは病気に強く味がとても良かったので、ほれ込んで現在でも主力品として栽培しています。特にビタミンCの含有量が高いことが知られるようになっています。

Q:どんな調理に向いているんですか?

火が通りやすいので、味噌汁が最適です。
カレーでは煮崩れし解けてしまいますから向かないという意見もあります。
ところが、こうした崩壊性のある芋が良いという人は、あえてカレーに入れるということもあるでしょう。

「キタアカリ」を欲しいと要望するお客様は実は多いのです。
この9月は北海道産の始まりの時期で、早生品種ですから市場に多く入荷しています。近くの八百屋さんに「キタアカリ」を仕入れてくださいと頼むのも一つの方法です。

Q:今回はどんな食べ方?

今回は、スタジオで蒸し調理ができないということで、レンジ調理しました。
おうちでは、余裕があれば、ぜひ蒸して食べてみてください!レンジ(600w)で3分30秒チンした物です。強いホクホク感があります。ある意味塩もバターも要らない程味わいのある芋です。

「ホクホクしていて美味しい!お塩をつけなくてもいいくらいの美味しさ!」

Q:価格はいかほどでしょうか?

いま、スーパーですと、 5個・250円ほどで売っています。

いよいよ、これから出荷の最盛期!さつまいも!おすすめはシルクスイート!

Q:さつまいものさまざまな品種も浸透してきていますよね?

現在の代表的なさつまいもとして徳島産『鳴門金時』が8月から販売されてますが、実は1945年に命名された「高系14号」から選抜された優秀な子孫です。・石川県の金沢からの「五郎島金時」も、やはり「高系14号」の流れを汲んで、系統選抜された芋です。

平成に入った頃は「ベニアズマ」の主流でした。関東の芋産地に活力を与えた品種です。外れのない甘さが特長でした。
ここ十年は「べにはるか」が人気です。(国の研究機関)農研機構では、その時代に合うような最高の味の品種を毎年1品種を世に送り出しています。

Q:そもそも“さつまいも”というくらいですから、九州が原産?

さつまいもは北アメリカ(メキシコ)が原産ですが、東南アジア各国にも芋は豊富にあり第二の原産地でもあります。(大航海時代に伝播した訳です)
1600年ごろ、中国から日本にやってきました。琉球から薩摩・今の鹿児島県に伝わったので、サツマイモとよばれています。中国での名前「かんしょ」ともよばれていたそうです。八代将軍・吉宗のころに、蘭学者の青木昆陽によって全国に広められました。「べにはるか」は東南アジアのスーパーで、焼き芋人気が凄いことになっています。

いま、米が買えないと話題ですが、江戸後期の庶民はお米も食べていましたが芋も主食のようなもので、甘藷先生・青木昆陽以来、江戸市中では餓死者はいなくなったのです。

そんな中、いまの注目は「シルクスイート」
この10年の注目の品種は「シルクスィート」です。これは珍しく民間のカネコ種苗で育成された品種です。病気に強い品種ですから、九州の農家でも栽培が盛んになっています。カネコ種苗は前橋市が発祥で、地域は絹産業に縁があります。それよりも肉質が滑らかで、シルクスィートと命名したのでしょうか。これは千葉県の香取郡栗源町の芋です。さつまいもでは関東の一の名門産地です。

Q:スーパーの店頭でも焼き芋よく売られていますよね?

ちなみに、先日のスーパー総選挙2位の「オーケー」は、焼き芋の味にこだわっていまして、茨城県産の「べにまさり」をメインにしています。社内で色々な品種を試して、『これだ』となったらしいです。

Q:今回はどんな食べ方?

こちらは、濡らしたペーパータオルを巻き、さらにラップで巻きます。レンジで600ワット・5分40秒。
最近の新しいレンジでは「根菜モード」があるものもあり、ベーパータオルなしで、そのまま調理することもできます。冷めた時の方が甘さを感じます

Q:価格はいかほどでしょうか?

いま、スーパーですと、1本・160円~200円ほどで売っています。

・加藤宏一さんは、青森県青森市出身。
・長年、国内最大の青果卸売会社「東京青果株式会社」の営業管理部で活躍。
・退職された現在も、大田市場荏原えばら支所のアドバイザーや千葉県立農業大学校の講師を務めるなど、さまざまなメディアで野菜や果物のお役立ち情報を発信されています。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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