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2号店がオープン。有名料理店も扱う魚が手軽に買える「渡辺鮮魚店」。

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2号店がオープン。有名料理店も扱う魚が手軽に買える「渡辺鮮魚店」。

10月23日、本町通りに「渡辺鮮魚店」の新店舗がオープンしました。本まぐろ丸々一匹、大きくて身の厚い旬のタラ、カニやイカと何種類もの鮮魚が並ぶ店内には、私の大好物であるいくらもありました。普段見かけるいくらの何倍も大きくて「どんなに美味しいだろう」と想像していたら、お孫さんのために大量のいくらを買いに来たおばあちゃんと遭遇。「こんなに良いいくらを食べたら、お孫さんが他を食べられなくなっちゃう」と思わず心配しちゃいました。今回は「渡辺鮮魚店」の代表 小嶋さんに、扱っているお魚についてや新店舗の展望などいろいろとお話を聞いてきました。

渡辺鮮魚店

小嶋 修平 Shuhei Kojima

1976年新潟市生まれ。新潟デザイン専門学校を卒業後、看板製作の会社に就職。24歳のときに「渡辺鮮魚店」に転職し、2020年に代表取締役に就任。

イチ社員から5代目代表取締役に就任。そのきっかけとは。

——小嶋さんは「渡辺鮮魚店」の何代目になるんですか?

小嶋さん:先代のおじいさんが1912年に創業して、私で5代目になります。創業社長、その息子さん、先代のお兄さん、先代の後を私が継ぎました。

——ということは、外部の社長は小嶋さんが初めてなんですね。どういった経緯で代表職に就かれたのでしょう?

小嶋さん:2019年に「本町食品センター」が閉店しましたよね。それもあったし、先代は高齢だったので「このタイミングで店を畳むか、それとも小嶋が引き継いでくれるんだったら別の場所で再スタートをしようか」と相談されました。それで「やります」と返事をしたんです。だって、お客さんがいるのに店を畳むわけにはいかないでしょう。

——先代の社長さんは、小嶋さんが引き受けてくれるって思ったんでしょうか?

小嶋さん:きっと、そうだと思いますよ。先代はちょっと人見知りで裏方タイプなんですね。だからしばらく前から、私が番頭みたいな感じでお客さんとのやり取りだとかをさせてもらっていました。先代とはしょっちゅう一緒に飯を食べに行く仲だし、旅行にも連れて行ってもらいました。

——小嶋さんが息子さんみたいな存在だったんですね。そもそも小嶋さんはどうして「渡辺鮮魚店」で働くことに?

小嶋さん:勤めていた会社を辞めて、どこか働き先がないかとハローワークで探したんです。「渡辺鮮魚店」の配達の求人が出ていて、なんか楽そうかなって(笑)

——たまたま見つけた求人がきっかけで、20年以上もお勤めされるなんてなかなかできないことだと思います。

小嶋さん:そう言われるとそうですね(笑)。性格的にあまり深く考えるタイプじゃないんですよ。「これからどうなるんだろう」と不安なときもありましたけど、「なるようにしかならないよね」って思っていたから、これまで続けてきたんだと思います。

——ちなみに「渡辺鮮魚店」は、何名くらいの会社だったんですか?

小嶋さん:入社したときからしばらく5人くらいでしたかね。先代に奥さん、その下に3人です。

——最初は小嶋さん、お魚の知識なんてお持ちでなかったかと思います。興味を持ったきっかけみたいなのはありました?

小嶋さん:一緒に働いていたうちのひとりが、ずっと板前さんをしていた人で。魚の見方からおろし方、すべてをその人から教わりました。年齢は私の父親よりちょっと上くらいでしたかね。24歳で入社して5、6年経って、その人が退職される頃から自分の意識が変りました。そこから「渡辺鮮魚店」の一員としてスタートした感じですよね。先代も年を重ねていく中で、自分が番頭みたいな役割をするようになっていったというか。

仕入れに妥協せず、高くても良いものを。有名店と同じ魚が家庭で味わえる。

——「本町食品センター」から店舗を移したのはいつですか?

小嶋さん:2019年の8月31日に「本町食品センター」が閉店してすぐですね。9月頭には別の場所で営業をはじめました。

——何か変わったことはありました?

小嶋さん:けっこう変わりましたよ。「本町食品センター」の中にあった頃は、館内のいちばん奥に店があったので、一般のお客さんの目にはほとんどとまりませんでした。小売のお客さんはいないも同然だったんですね。場所を移してから、皆さんに店の存在を知ってもらえるようになったかな。

——じゃあ、小売を強化されたと。それにともなって、仕入れを変えたりしたんですか?

小嶋さん:それはあまりしなかったですね。だから良かったのかも。例えば、飲食店向けに仕入れた品物が20匹あったとして、半分は飲食店へ、もう半分は小売用にってできましたから。自分で言うのも図々しいけど、市内でも名のある割烹さんとかお寿司屋さんとお取引しているので、そういうお店と同じ魚が食べられることを評価してもらえたんだと思います。

——一般の人が買うとしたらどういうものですか? お魚1匹丸ごと買わなくちゃいけない?

小嶋さん:いえいえ、お刺身にしたり、3枚おろしにしたりできますよ。今だったら大きいタラを鍋用に捌くこともできますしね。さっきはタラの白子だけ欲しいという方がいらっしゃったので、白子だけお渡ししました。大きい魚を刺身にして欲しいって頼まれたら、残りの身も刺身にしてショーケースに並べておけば、皆さんに手に取っていただけます。

——私たちでもそんなに良いものが買えるなんてありがたいです。

小嶋さん:その代わり質に妥協はできないので、値段はけっこうしますよ。量販店だったら100円〜200円で買えるサンマだけど、今うちにあるのは450円、550円、780円のサンマ。その分、まるまる太っていて脂がのっています。

——普段見かけるお魚とは違うのがよくわかりました。他にはどんなところが違いますか?

小嶋さん:扱っている種類の多さが違います。ここしばらく不漁続きで、数が少ないから魚の値段が高くなっていますよね。だから最近は、スーパーさんでもいろいろな種類のお魚を置いているところは少ないんじゃないかな。

——本町には他にも鮮魚店さんがいくつもありますよね。差別化しているところってありますか?

小嶋さん:こんなことを言うと元も子もないけど、魚はどこも一緒です(笑)。でもうちの強みは人ですかね。「どこから買う」じゃなくて「誰から買う」が大事なんだと思います。

卸と小売プラス新しい事業の柱を。働く人が安心できる会社に。

——10月23日に2号店が本町通りにオープンしました。反響はいかがですか?

小嶋さん:2号店がオープンしてから、前の店舗をご存知ない方にもたくさん来ていただいています。1号店と2号店、すぐ近くにありますけど、人の通りが違うんですかね。常連さんはもちろんですけど、新しいお客さんにもお越しいただけているのかなと思います。1号店では刺身、2号店では焼き魚などの加工品販売もしていますので、夕飯のおかずに迷ったらぜひ寄ってください。

——2号店を設けることにしたのはどうしてでしょう?

小嶋さん:新しい仕事をはじめて手狭になったんです。その仕事の話をいただいたとき、「スペース的にも人員的にもできるのか」と考えましたけど、断るのができない性格なんですね。作業場所を確保したいという思いもあって、2号店を設けました。

——お店がふたつあることで、さらにお仕事の幅が広がりそうですね。

小嶋さん:飲食店さんへの卸と小売だけでしたけど、事業を分散化して、会社として「これがうまくいかなくても別の仕事がある」って体制にしていこうと思っています。私自身、お気楽な性格ではあったけど、将来に不安を感じたこともありました。スタッフが同じ思いをしなくて済むように、新しいことにもチャレンジしたいと思っています。

——最後に、小嶋さんおすすめのお魚を教えてください。

小嶋さん:もうすぐ年末ですし蟹はどうでしょう。今年の蟹は美味しいですよ。あとはちょっと特別な日に刺身の盛り合わせ、お父さんにウニを1箱プレゼントするのもいいと思いますよ。有名なお寿司屋さんでも使ってもらっているお魚なので、ちょっといい値段がしますけど、その分満足してもらえると思います。

渡辺鮮魚店

新潟市中央区本町通6番丁1105

tel:025-222-4751

営業時間/9:00〜17:30

定休日/日曜日

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