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映画ドットコム大塚副編集長と、夏までの興行を振り返る! 『国宝』の「ミリアゴンスタジオ」が成した役割

SASARU

毎週・木曜日の25:30から北海道・札幌のFM NORTH WAVE(JFL系)で放送されている、矢武企画制作・映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!
キャプテン・ポップコーンこと矢武企画・矢武兄輔が、映画の情報はもちろん、映画に関係するまちの情報、映画がもっと近くなる内容をお届けします。

映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。
この記事では8月21日(木)に放送した番組内容をお届けしています。 進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

「映画.com・大塚副編集長が語る2025年上半期公開映画総括」!!

(C) & TM DC (C) 2025 WBEI

このコーナーは、映画.com の大塚編集長が、「映画のメディア最前線」で見てきたこと、感じたことをお話し頂くコーナーです。
今回は2025年に公開された映画を振り返ります。
※収録日8月12日現在の情報です。

大塚:上半期はハリウッド作品に観客が少し戻ってきた傾向が見られました。しかしコロナ前と比べると、完全には回復していない状況です。洋画では『ミッション:インポッシブル /ファイナル・レコニング』が52.4億、『リロ&スティッチ』が32.8億、『F1(R)』が18.4億と健闘しました。『スーパーマン』は9.4億で、8月中には10億を超える見込みです。本数が増えていけば、洋画の復調が見えてくるかもしれません。ただ、映画興行は依然として邦画が中心でリードしています。

本日時点(8月12日収録)で『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が220億を突破、『名探偵コナン 隻眼の残像』が146.3億、『国宝』が95億となっています。3時間という長尺が興行の妨げにならない時代になってきた印象です。『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪』が18.3億、『ドールハウス』が17.9億、『フロントライン』が16.7億。さらに『TOKYO MER~走る緊急救命室~』も数字を伸ばしています。その中で注目すべきは、やはり『国宝』の興行でしょう。

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

矢武:『国宝』は22年ぶりに日本映画の実写興行収入ランキングを塗り替えるかもしれませんね。

大塚:矢武さんが大切にしている『踊る大捜査線 THE MOVIE』(98)を抜く可能性があります。

矢武:“MOVIE1”は101億ですから、おそらく抜かれるでしょう…。

大塚:『国宝』の製作を担ったのはアニプレックスの子会社・ミリアゴンスタジオです。本来であれば歌舞伎を題材とした作品なので松竹が制作するのかと思われがちですが、多くの制約があり、実現は難しかったのでしょう。そうした状況のなかでミリアゴンスタジオが果たした役割は非常に大きいと感じます。もうひとつ、女優陣の芝居も見逃せません。矢武さんは誰か印象に残った方はいらっしゃいますか?

矢武:森七菜さんです。大人の雰囲気が強く印象に残りました。

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

大塚:私は芸妓役の見上愛さんです。背中で語る寂しさや感情を表現していて素晴らしかったと思います。洋風の顔立ちなのに芸妓役がしっくりと馴染んでいたのは役作りの成果でしょう。彼女の今後の活躍も注目したいですね。

矢武:女形で言えば田中泯さんも圧巻でした。最期に近い場面の手の所作さえも女性に見えました。

大塚:素晴らしかったです。また、取材で印象的だったことがあります。吉沢亮さんと横浜流星さんのインタビューをした際、2人が高畑充希さんの芝居を深く尊敬していたことです。彼女の演技があるからこそ、他の登場人物が引き寄せられると語っていました。さらに、取材時に体調が悪くなった私に、横浜さんがさりげなくお茶を差し出してくださったことがありました。自然にそうした行動ができるのは人間性の表れだと思います。

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

大塚:『国宝』では主題歌も印象的でした。サウンドトラックだけで終わるのかと思っていたところに歌声が入り、作品に余韻をもたらしていました。また、高齢層の観客が映画館に戻ってきているのも注目すべき現象です。公開2週目、地元の蕎麦屋でマダム層が『国宝』の話題で盛り上がっていたのが印象的でした。

矢武:逆に私は劇場で20代や高校生の観客も多く見かけます。映画館以外でも若い女性たちが『国宝』を話題にしているのを耳にしました。また、観客の入りを感じるひとつのきっかけとして、道端に落ちている映画の半券に目が留まることがあります。もちろん半券のポイ捨ては決して良いことではありませんが、中でも『国宝』の半券は数多く見かけ、改めて多くの人が劇場に足を運んでいることを実感します。

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

矢武:私は、今回『国宝』を制作したミリアゴンスタジオがアニプレックスの子会社だということを知りませんでした。アニプレックスはメガヒット中の「鬼滅の刃」も手掛けていることを考えると驚きです。

大塚:『国宝』はカンヌで披露され、フランスをはじめ欧米での公開も決まっています。世界で受け入れられる題材だと思います。

矢武:今年は日本映画の新しい局面を迎える年になるかもしれません。

大塚:しっかり予算とスケジュールを組み、丁寧に制作すれば世界に発信できることを証明しました。

矢武:これから日本のメジャー作品でも海外戦略を狙った作品が増えそうですね。

大塚:非常に楽しみです。

(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

矢武:2025年後半戦に注目している作品はありますか?

大塚:9月19日公開の『宝島』です。私はコザ暴動のシーンの撮影現場にも入っていましたし、大友監督や妻夫木聡さんのロングインタビューも行いました。今後番組でも紹介できればと思います。

矢武:妻夫木さんもこの作品をとても大切にされていますね。

大塚:いつも泣いてしまうほど感情を込めて取り組まれています。

矢武:今回でキャプテンポップコーンは99回目。次回は100回です。実は記念の仕掛けを準備しています。どうぞご期待ください。

大塚:楽しみにしています。

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