犬を苦しめる『3つの留守番環境』愛犬を安心させるためのポイントとは?
犬を苦しめる「3つの留守番環境」
犬を留守番させるときは、犬がいる部屋の環境を整えておくようにしましょう。留守番環境が整っていない状態で犬をひとりで留守番させてしまうと、思わぬトラブルが起きることがあります。
留守番中に何らかのトラブルが起きた場合、飼い主の帰宅までに時間がかかり、時には犬の命が危険にさらされる可能性もあります。愛犬を守るためには、飼い主が留守番する環境を整えることが大切です。
そのため、愛犬を留守番させる前に、留守番時に犬にとってよくない環境について知っておく必要があります。
そこで今回は、犬を苦しめる「留守番環境」について解説します。ご自宅に思い当たる節がある場合は、すぐに改善しましょう。
1.温度管理がされていない
犬が留守番中過ごす部屋は、しっかり温度管理を行うようにしてください。なんの管理もされていない部屋では、適切ではない温度が原因で犬が体調を崩す恐れがあります。
特に、気温や湿度が高い季節は留守番中に犬が熱中症を起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。そのため、人間のいない留守中でも必ずエアコンを使用して、温度管理できるようにしておきましょう。
冬にはストーブやホットカーペットを使って室温管理をする家庭も多いですが、犬をひとりで留守番させる時は火災が心配です。冬もできるだけエアコンを使用するようにしてください。
快適な室温は犬種や犬の年齢などによっても異なりますが、夏は18℃~26℃、冬は20℃~22℃くらいを目安に調整しましょう。
2.散らかっている
物が散らかっている環境で犬を留守番させると、事故が起きやすくなります。
なかでも多いのが犬の誤飲事故です。
✔タバコ
✔串
✔電池
✔紐
✔靴下
✔薬
✔チョコレート
✔キシリトールガム
上記のような物は、犬が誤飲すると中毒や腸閉塞を起こすリスクがあります。
誤飲事故以外には、コンセントやケーブルを噛んでしまったことでの感電や、出しっぱなしのハサミなどで遊んでケガをする、というような事故も心配です。
愛犬を留守番させる時には、誤飲しそうな物やイタズラしそうな物は犬が引っ張り出せない場所へ片付けておくようにしましょう。
3.新鮮な水を置いていない
犬を留守番させる時は、いつでも新鮮な水を飲めるように、給水器や水飲み皿を置いておきましょう。
留守中にいつでも飲める水が置かれていないと、犬は喉が渇いても水分補給ができず、脱水症状を起こす場合があります。
留守番中に水飲み皿をひっくり返してしまう恐れがある犬の場合は、給水器を活用するのがおすすめです。
留守番で愛犬を安心させるためのポイント
愛犬が安心して留守番できるようにするためには、以下のポイントをおさえた「留守番環境」を整えるようにしましょう。
ケージやサークルを利用する
犬を留守番させる時は、ケージやサークルを利用するのがおすすめです。
狭い場所に閉じ込めるのは可哀想だと思うかもしれませんが、犬はテリトリーが狭いほうが落ち着く習性があります。そしてケージを「安心できる場所」だと認識していれば、その中でゆっくり眠って飼い主さんを待つことができます。
さらに、ケージやサークルを利用していれば、室内に放置された物を誤飲してしまったり、ソファーから転落したり、というような事故を防ぐこともできて安心です。
犬が安心する匂いがついた物を置いておく
犬は、飼い主さんの匂いや自分の匂いがついたブランケットなどが側にあると安心することができます。そのため、留守番の時には、飼い主さんの脱いだ服や犬が愛用しているブランケットを置いておくと良いでしょう。
ただし、靴下などの小さいものは、誤って飲み込んでしまう可能性があります。そのような危険性があるものは留守番時には避けるように注意してください。
あらかじめ留守番の練習をしておく
いきなりひとりで留守番させる行為は、犬にとって大きなストレスになる場合があります。
留守番をさせたい時は、事前に飼い主さんが側にいない状況に慣れさせる練習をしておくようにしましょう。
留守番練習は数分隣の部屋に移動して犬をひとりにする、というような短い時間から始め、大丈夫そうであれば更に少しずつ時間を伸ばしていき、徐々に慣れさせていくことである程度の長さの留守番でも平気にできるようになります。
まとめ
今回は、犬を苦しめる「3つの留守番環境」について解説しました。
犬を家に置いて出かけたい場合は、まずは愛犬のための「留守番環境」がきちんと整っているかどうかを確認してみましょう。環境が整わないまま外出してしまうと、犬がとても苦しい思いをしてしまうかもしれません。
飼い主さんがいなくて寂しい思いをする愛犬が、留守番中でもできるだけ快適に過ごせるように、しっかりと「留守番環境」を整えてから出掛けるように習慣づけをしておきましょう。
(獣医師監修:後藤マチ子)